美術館・博物館好きが見逃せないのが、台北の故宮博物院。あんまりぱきっときれいに撮影できるときに行ったことがなかった。こんな感じで曇ってたり、小雨だったり。

ところが、2022年11月に久しぶりに行ったんだけど、こんなにぴかーんと晴れてた。
良いカメラを持っていけばよかったよ、まったく。
KKday 【外国人限定】国立故宮博物院:台北北院 嘉義南院(2022年11月に、台北のみ購入しました)
故宮博物院とは
蒋介石が、第二次大戦中・国共内戦中を通じて、北京の故宮から南京を経由して宝物を台湾まで持ってこさせたの。中華民国こそ、中華世界の正当な後継者であると主張するのだけど。 その「理由」がまさしく、清までの中華世界の宝物が台北にあるということ。
嘉義の南院にも行ったけど、やはり「宮殿」風の建物の台北の故宮博物院の建物そのもののデザインですね。
そして五回行ったけど、 毎回新しい発見があり、毎回新しい視点(=横串の刺し方)をする。
故宮博物院は、平日でもかなり混雑します。土日や台湾のみならず日本や中国の祝日は避ける方がいいと思います。台湾の人よりも、団体の日本人や中国人が多いから。
2017年は週末に行ってしまい、ちょっと辛かった。
一番空いているのは、やはり平日の朝ですね。初めて2011年に行った時は、友達に「走っていけ」と言われて、肉形石と白菜のコーナーにすっ飛んで行ったのよ。
2022年11月は、また平日の朝一番に乗り込んで、肉と白菜の部屋にすっ飛んで行ったんだけど、これよ。

良いカメラを持っていくべきだったー。(今回は四十肩で荷物を減らしたくてiPhone 13 Proにお任せした)
台湾には観光客が戻ってなかったのね。中国人はもちろん、日本人もいない。韓国人っぽい人たちも少なかった。がらっがらだったもん。
社会見学っぽい台湾の小学生の集団はいました。お昼くらいになると増えてくる。
基本、撮影可能。いいカメラと暗いところでも撮影できるレンズを持って行こう
2016年12月2日から撮影できるようになりました。フラッシュ禁止よ?お行儀が悪いとできなくなるから、ありがたーく撮影しましょう。
もちろん、一部撮影不可のものはあるので、それは撮影してはいけません。
片方が南院に行っていることがありますが、 運が良ければ中華世界最高の宝物と称えられる肉形石と翠玉白菜を見ることができます。
肉形石はこれ。

本当に、ぶりぶりした皮の部分もおいしそうな、豚肉の角煮だ。
こっち、翠玉白菜も。

バッタさんもついてるのでDon’t miss it!
私が好きなものを見てくれないか?
青銅器
大好きなのが、青銅器もの。かわいい!

武器すら可愛く見えてくる、青銅器たちよ。

古代のものは何を見ても素敵。
玉のコレクションもすごいよ
この細工を見よ!

こういう、めちゃくちゃ細かな細工がいくつもある。
象牙の玉!ジム・ボタンに出てきたやつ!
私はミヒャエル・エンデ育ちなのですが、「ジム・ボタン」に中国の象牙細工の話が出てくるんですよ。中国人が器用で、象牙の玉を細工して、玉の中に「玉」を作り、その中に「玉」を・・・という。あの実物ですよ。うきうきしちゃう。子供がいたら読ませた直後にここに連れてくるのになあ。
もう、見事しか言いようがない。

玄宗時代の、木簡ならぬ、玉冊。
と思いきや、モダンなものは徹底的にモダン
超モダンなデザインのものもある。主に清のものですが、これは南宋。
玻璃=ガラスのコレクションもあるわけ。

なんて綺麗なんだ。
なんなのかわからないんだけど、「現代美術です(ドヤ)」って出てきそう。

常々、いろんな「特集」をやってる。
故宮博物院の「特集」は小さいのからおおきいのまでいろいろやるよ。
2022年秋
見せ方の工夫もよくなさる。例えば、下の、宋代の花かごの静物画。
これをねー。
本当に作っちゃう。プリザーブドや造花ではなかったと思う。
2019年夏 お香
このときの特集の一つがお香。

これは香木で作った杯。
中国の王朝ドラマならお馴染み。腕輪です。

へー、中に香りがするものを入れた腕輪って本当にあったんだー!「如懿伝」で見た。
如懿伝~紫禁城に散る宿命の王妃~ BOX1(コンプリート・シンプルDVD‐BOX5,000円シリーズ)(期間限定生産)
なお、副題の「宿命の王妃」というのは、実におかしい。如懿は「皇后」です。「空海」の副題も「王妃の謎」で、楊貴妃だよ、楊貴妃!って燃えたよ、私が。頼むからこういうところはちゃんとしようぜ。秦以降の中国で「王妃」というと、皇子(=親王・郡王)の配偶者。皇帝の配偶者で一番偉いのは「皇后」。
それはおいておいて、他にも医療・健康についての特集があり。中には「本草綱目」があったかな。ただ、このコーナーは撮影禁止のものが多かったです。理由は、楷書で書いてあるから、みんなある程度読めちゃうからでしょうか。中には現代では否定されているものも、あるだろうし。
台湾で「明妃伝」を見たときに、いちいち注が横に出ていたような記憶があります。
女医明妃伝~雪の日の誓い~ スペシャルプライス版 イッキ見!まるごとBlu-ray(2枚組)
中には、日本の江戸時代の医療についての本の展示もありました。「ターへル・アナトミア」「解体新書」があるかとおもったら、それはありませんでした。
2017年冬 ムガール帝国からもたらされた玉器
そして、乾隆帝が愛したというわけで、ムガール帝国からもたらされた玉器の数々。

嘉義でお茶の特集をやっていたので、その続きみたいな感じ。他にも、このときにも元の特集をやってたような記憶がある。
元の魯国大長公主 祥哥剌吉Sengge Ragiのコレクション (2016年冬)
まずは王羲之の超有名な蘭亭序。もちろん拓本です。

そしてそのコピーというか、書き写したものがあったんですけど、字の書き間違いがあったりしてちょっと笑っちゃった。
で、脳内ではガンガンこれがかかる。
元の公主(フビライの孫・魯国大長公主 祥哥剌吉Sengge Ragi)のコレクションの中のもの。元の首都=大都ですが、ここ、北京。だからかなあ、公主が集めまくったものがあまり散逸せずにそのまま明・清に受け継がれたんでしょうね。
そして公主の好みは新作を集めるよりも、古いものだったらしく、王羲之だけでなく、北宋の徽宗のものが結構あるんです。

徽宗の文字はほっそりとして綺麗。とにかく綺麗。きっとほっそりとして儚げなイケメンだったんじゃないかと思うんだ。
で、公主のコレクションの中にドラゴンボートの絵があるんですけど。その前についていた文字がこれ。
「乾隆御筆」ってことはのちに清の乾隆帝がタイトルをつけたってこと?私はこの字が凄く好き。
公主のコレクションの中だったか覚えてないけど、「文字」すなわち漢字も中華世界の宝と言って良いよね。常にどこかで何か「書」のコレクションをやっていて、私が喜んだのはこれ。
曹植について書かれた石碑の拓本。三国時代ゆかりのものが出てくると気分が上がる。
個人的には曹操はあまり好きではないのですけど、曹操の揮毫した石碑の拓本だったかなんだか、曹操の字を見たことがあるんですが、あの字は勢いがあって結構好き。
その他
大英博物館展など、特別展もあるよ。
2017年冬は、大英博物館展(エジプトのミイラさん)もあった。これは別の建物で、別の展覧会というわけで、別のチケット(350元)が必要でした。
こういうのも楽しい。
第二展覧エリアで、下の写真だと、左側の建物です。真ん中の建物は行政エリア。

庭もある
うまく、中に入れた試しがないんですけれども。なんか雰囲気が良さそうなのよ。

美術館飯
私は結構美術館でご飯を食べちゃう人なんだけど、外に出るのが面倒でねえ。
一番初めに故宮に行った時、「三希堂」という三階(つまり、外に出ずに食べられる)のお茶屋さんで食べたんだけど、あそこはずいぶん閉じて長い。
よく食べるのがここ。「府城晶華」。

上に出した、第二展覧場や行政施設の裏にある、「故宮晶華」の地下にあるフードコート的なところです。「晶華」でわかる通り、出しているのはリージェントホテルのグループ。多分、この下もリージェント系なのではないかな。
お昼だし、ご馳走をお腹に入れたくはないんだけど、というときにぴったり。いわゆる「小吃」が食べられます。
2019年は二つ。


程よいでしょ。125元くらいだったかな。
2016年の記録が残ってて、豆花とピータン豆腐。

そしてやってきたゴマ油そうめん。

合計237元。市内のお店と比べるとかなり割高に思えるのは仕方がありません。
味は濃くなく、薄くなく。確かに日本人には(関東のしょっぱい味付けに慣れていない西日本の人でも)台湾の料理は少し塩気が足りないと思うものだけど、まあ、そんなもんか、という感じ。
2019年は本当は、本館の中にある「閒居賦」に行くつもりだったんですけど、見た所人が多い感じで外に出てみたというわけ。他にも、「至善園」「富春居」とあります。いろいろ食べてみたいけれど、結局フードコート的なところになるんだろうな、私は。
故宮で買ったお土産
初めて行った時には、写真撮影不可だったこともあり、絵葉書や図録を購入しました。
2019年も2016年に引き続き、マステ。
マステはいいよ、マステ。メルカリなどでめっちゃマステ使うし、以前買って故宮のマステはそれなりに粘着力があることもわかったし。(とはいえ、mtのマステほどではありません)

行くたびに買いたいなあって思う茶器があるんだけど、今回はちょっと荷物が多くなってしまい、腰が痛いのでやめておきました。残念。
2016年に買ったのは、傘とマステ
まずは晴雨両用の傘。

内側から見ると青っぽいんですが。

濡れると青くなる。
で、使うとどうだったか気になるでしょ?
⇒衝動買いした故宮の「雨過天青」傘。実用性を求める人にはあまり向かない・・・
結構、丈夫だった。2019年になっても使ってるし。
その他はマステ。


左は殷の模様。右はマステのメモ帳。合わせて1000元ちょい。
故宮博物院の入場券の買い方
2022年11月には、台湾もQRコードを使うようになったんだなーって感じで。
KKdayで故宮のチケットだけを購入しました。アプリにQRコードが表示されます。(決済はApple Walletに入れたメルペイ。メルカリの売上金がほどよくあったのよー!)

これを引き換えるのかなーと思ってて、入り口にいる係が「こちらで入場券を〜」みたいな感じで話しかけてきたから、このQRコードを見せたのね。そしたら、入り口を指差したから入り口でQRコードをかざして入場です。これ買った↓
KKday 【外国人限定】国立故宮博物院:台北北院 嘉義南院
過去は。
一度目は台湾観光局のキャンペーンだったので無料。
二度目は故宮のAdmissionで購入したのね。コンビニでも買えるんだが、「コンビニ」というのが外国人には微妙にハードルが高い。普通に故宮に乗り込んで買いましたよ。
チケット売り場は混雑しているかと思ったのですが。

ぜーんぜん。
朝一番にくると、チケット売り場に並ぶ人が多くて。かなり混雑していたのです。なので、コンビニでチケットを買っておくのが良いみたいなんですが。
あれ?とあっけなく250元でチケットを購入しました。
三度目は、KKdayさんの、故宮博物院の台北&嘉義のセットをモニターさせていただき。⇒故宮博物院:セットチケットで台北北院と嘉義南館を一気にまわれ!
四度目は、KKdayさんの、故宮博物院&台北101の入場チケット&シャトルバスをモニターさせていただき。⇒台北:台北101と故宮博物院を一気に回ろう
五度目は、KKdayでこのチケットだけ買ってます。
KKday 【外国人限定】国立故宮博物院:台北北院 嘉義南院
KKdayでは故宮を含んだ、いろんなツアーも売ってて、うまくと組み合わせると、「今回の特集」だけをじっくり見ることもできるかも。姉さんは台北では基本ふらふらふらふらしてるからね…。
路線バスだと、降りるところが下ということも・・・
2011年、2016年、2022年は路線バスで故宮まで行きました。
2011年は上まで上がるバスだったけれど、2016年と2022年は降ろされたのが下だったのね。「博物院路口」というバス停です。
故宮は山というか丘の途中に作ってあるから、幹線道路沿いに降りてしまうと、登らないとならない。それはそれで楽しいよ!

そういえば、中国ドラマの武侠ものの「山」のシーンにこんな感じの門が結構あるなあ、と思いました。向かって左脇から上がっていった。
正面まで来ないとこの絵は撮れないけれど。

「故宮」つまり紫禁城を模した撮影所の写真を見させられると、違うよねえ、やはり。
ミニバスのようなのだと上に上がってこれますし、KKdayのシャトルバスだと、上に上がれたので楽チンでした。

101と故宮のシャトルバスは本数が限られてるけれど、上まで上がってこなくて済むのが楽です。外国人観光客が戻ってくるようになったら、また開始なさるかな。

一応、KKdayさんで扱っておられる故宮博物院の、個人旅行に便利なプランを列挙しておきます。
KKday 【外国人限定】国立故宮博物院:台北北院 嘉義南院(2023年1月現在、バラバラに買うようになってる。以前はセットだった)
そして交通について。私は淡水線からバスに乗り換えることが多いんだけど、時間もかかるしねえ。
KKday【台北市内を自由に観光】2階建てオープントップバス 割引乗車チケット(台北市内から路線バスに乗るよりは、(台北市内からは)早いんじゃないかと思う。ただし、本数がないので要注意。)
KKday 台北101展望台 – 故宮博物院 直通送迎バス(外国人観光客が増えれば再開されるかな?と思ってる)
南院に行く方も結構おられるようで、実は案外南院のチケットも売れてるのでメモを買いておこう。
南院は、台北市内から日帰り可能です。高鉄の嘉義駅からバスで10分。むしろ、嘉義市内から行く方が不便。⇒嘉義の交通はなかなか不便:国立故宮博物院南院へのアクセスは、高鉄嘉義站がキーになるよ