2016年の上海で一番気に入ったのが、人民広場の上海博物館です。青銅器コレクションにもう胸ワクワク。

2024年現在では、この青銅器コレクションは新しくできた上海博物館東館(世紀広場。地下鉄の駅としては上海科技館駅)に移っています。

(東館)
人民広場の上海博物館は、特別展用になってるんじゃないかな。
どちらも入るためには手荷物検査と、身分証が必要。日本人観光客はパスポートで、手荷物検査の後の列が別です。(ほとんどいないから列をすっ飛ばす形になる)
そして写真撮影可、ただしフラッシュ禁止。
上海博物館で、古代エジプト展&マルコ・ポーロ展(2024年)
埃及国家博物馆というのは、Museum of Egyptian Antiquitiesらしく、日本語では「エジプト考古学博物館」かな。ここからアジアに初めてやってきた文物が多い、という古代エジプト展が上海博物館で結構長期間やってました。これは有料です。入り口がこうなってるわけ。

元はこれよ?
中はすでに混雑してた。お行儀は2024年の正倉院展くらいかな…。展示している部屋に入るためには、QRコードやチケットの提示が必要で、QRコードは読み取り、チケットはパンチしていきます。

ツタンカーメン↑とアクエンアテン↓

アマルナ美術のコーナーです。アクエンアテン像はどこかでみてるんだけど、もっと大きいのを見てるのよね。あれはどこだろ。福岡?それとも…メトロポリタンかなあ。そして、ネフェルティティの有名な像はベルリンにあるのよね。エジプトにも残ってるようで、それが来てました。ベルリンの像と雰囲気がかなり違いました。もっと陽気そうな顔。
女神像↓。気づいた?足元を見てみて。タイトルだけは、日本語とハングルもあったの。

メトロポリタンでもびっくりしたんだけど、こういう↓働く人々の小さい像。

下の三角形はパン。で、この彩色が残ってるの!?って。復元ではないっぽいし。
面白いなあというか、さすが中国だなと思うのは、上海博物館の持っている、商(つまり、殷)時代のもの、というものも一緒に展示してるんですよ。
もう一つ、「マルコ・ポーロの見た中国」という特別展もやってた。こっちは多分無料です。上海博物館の持ってるものを中心に、マルコ・ポーロ縛りで展示っぽかった。その中から一つ。元の時代のものが、明の遺跡の下から出てきたんですって。

カラフル〜元にあんまり興味がなかったけど、俄然興味が湧いてきた。行くか大都(=北京)。
質問があったから、ここにも書いておきますね。音声ガイドに日本語があったか、という質問でしたが、私は知りません。QRコードがあって、これをスキャンして、詳しい解説を読んでました。
室内、しかも混雑していても爆速の中国聯通香港のeSIM、おすすめ。
上海博物館東館で、通常のコレクションを見る(2024年)
科技館駅。

で、「科技館…でか」と思ったけど、その先にある東館もでかい。
人民広場の方よりも遥かにゆったり作ってあって、ゆったり展示してあって、人は多んだけど、中は混雑しないという仕様…すごかった。

2024年12月段階では、予約は必要ありませんでした。ただ、パスポートは必須。二代証はスキャンでいいんだけど、我々外国人観光客はパスポート。パスポートを持ってると、こっちだこっちだと教えてくれるから、係のところに行くと登録してたね。

四階までしかないけれど、天井が高く、一つ一つの部屋がゆったりと作ってあって、中は混雑しない。
そうそう。古代エジプト展にはタイトルだけは日本語とハングルがあったけれど、こっちは中国語と英語しかなかった。こっちにもつけようよ、日本語とハングル。
上海博物館といえば青銅器コレクション
商(殷)の素朴さ。
周の華麗さ。
春秋戦国時代にかけての、武器の鋭さ。
秦、そして漢の美麗さ。
もううっとりですよ。清まで儀礼用として作り続けた青銅器。
武器は時代が下がるとこんなに鋭い。
でも、もっと古いとそうでもないんです。
殷周易姓革命の頃は、殷とか周の武器こんなに鋭くなくて、ぐわっしゃーんと骨を叩き潰すのかしら、と思ったり。
2016年に私が一番好きだったのはこれです。水を張って楽しんだのかな。

その次に好きだったのはこれ。水牛かしら。立派な角の牛さんの群です。

すごいなあ、見事だなあ。
2024年にちゃんとあった。

2024年に気に入ったのが、鼓の根本だという↓。

2016年に、酒を入れる甕かなにかに彫り込まれた模様が可愛いなあと思ったけれど、これは2024年には見た記憶がなかった。
かわいいなあ。日本とかアメリカだったらこの模様のTシャツとか、トートバッグとかグッズがあるんだけどなあ。キーホルダーとかね。きっとヨーロッパあでもそうだと思う。
ただ、上海博物館東館は以前よりは商売っけだしてた。それは下で。
玉
玉も中国は好きですよねえ。ただ2024年には駆け足だった。
古い、それこそ殷時代の物もありましたが、古いものは素朴、それが1000年のときを経て精緻になっていきます。
貨幣
貨幣コレクションも楽しい。
始皇帝以前の、春秋戦国時代の諸国の貨幣ももちろんあります。2016年と比べると、2024年には作り方などの解説が充実したような気がする。
このあたりがお気に。まず、呉(三国時代)。
いろんな時代の貨幣が集めてあって、中には馬蹄金もありましたよ。
江南
2016年には家具コーナーと認識してた↓のが、2024年には「江南」になってたんだと思う。
琴を弾く美女、美男、というのが中国時代物によく出てきますね。一番有名なのは、「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」のジョイ・ウォンとレスリー・チャンかな。
あと、陳情令の藍忘機。
2024年には、もうちょっと文人の部屋らしく整えられたコーナーがあったり。台北の故宮博物院の展示が行くたびに洗練されていくけれど、上海もうんっと洗練されてた。屋上に庭園が作ってあったり。


スロープで下の階に降りられるようになってるよ。
上海
上海の考古というコーナーが以前あったかな、なかったかな。この壺見てよ。

縄文土器とはまた違った、紋様へのこだわりっぷり。

海派
2016年にはパスした絵画と書だけど、多分絵画だったと思う。海派として、スタートはなんと陸機。ってわかる?呉末から晋の。呉の名門は四姓。張・顧・朱。そして陸、と言えばピンと来る人いる?
そう。陸遜の孫です。陸遜が華亭侯として与えられた領地が上海市松江区にあるから、って。

これは清の時代の拓本で、実物は故宮博物院(場所は上海で、「台北」とも「北京」とも書かれてないということは、北京ということ?)。だからさあ、卑弥呼が229年に使者を送っていて、皇帝は魏の曹叡。曹叡没後に司馬懿・司馬昭、そして司馬炎による統一。すぐ後なのよ。その時代のもの…ああ、我が国の辺境ぶりよ。
食べるところ
東館には複数食べるところがあります。カフェテリア的なところでスイーツもあったし、自動販売機で牛乳を売ってたり。私は2024年には入り口の近くにあった食堂に行ってみた。おお、台湾魯肉飯。と聞けば食べるんだけど、紙のお弁当かいwww。

ここは一階だけど結構景色がいい(と思う)。

味はちょっとべちゃっとした魯肉飯でもう少し汁がない方が好みだけど、2014年のひどいやつと比べるとはるかにいい。(しっかし、食べてたら、結構品がいい感じの同世代の女の人が来たんだけど、響き渡るクチャクチャ…逃走した)
お昼は博物館の食堂で(2014年。人民広場)
足が痛い。
足が痛い。
となってしまって、「キャンティーン(食堂)」どこですか?というと、通じなくて、「レストランは?」と聞くと11時から開くと言われました。一度手荷物検査の外に出ないとならないのですけどね。
ほう。
キャンティーンではなく、レストランなのね。

上海のもの、上海のものっと。
ほう?大肉麺とな?38元ってたっかいわ〜。「レストラン」だけある。さぞうまいものがでるに違いない、と思った私の前にやってきたこれ。

うんうん。肉。肉よ、肉がいるのよ!
いわゆる「皮」ってわかりますでしょうか。脂身・赤身と食べますよね。脂身の上にあるゼラチン質のものです。
中華系の人はコラーゲンたっぷり、と言いますよ。ただし、現実には摂取したコラーゲンそのものが自分のコラーゲンになるわけではないでしょ。中学校の人体の授業で消化の話をしましたよね。生物の修士号を持ってる人がそんなことを言い始めたんで、某香港の有名大学(二つしかない)を疑っています。
ただし、皮膚を形成するのはたんぱく質だし、この「皮」もたんぱく質です。
その皮部分は柔らかく、むしろもっちりとしているんですよ。結構好きです。ヘビーだけど。
ただし、赤身がカチカチで残念でした。一度表面を軽く焼いてから煮ると結構柔らかくなるんだけどなあ。
出汁は多少甘みのあるもので、福岡のうどんの出汁は甘みがあるところが多いです。そこで肉うどんを頼んだような感じ。多少、濃いけどね。
しかし。麺なんですよ。
腰のないうどんは、福岡のうどんで慣れています。
でも、ぶつぶつ切れるところとか、私は知っている。
冷蔵の生うどんを、一度冷凍させて解凍したようなの。解凍した生麺は、水分が一度抜ける過程で多少裂けたりするのですけど、これはさすがにそれはなかった。
でもぶつっぶつっときれるうどんを食べながら、ああ、となってしまいました。
今回の上海がっかり料理は南翔饅頭店の上が完全には蒸されていない小籠包か。それともこのうどんか。
そう思いながら博物館を後にしました。結構美術館・博物館で食べてるのですが、がっかり部類に入ります。でもまあ、38元=800円以下なんで怒る必要はない。
4月でも冷房は入ってた
そうそう。
ここ、4月でしたが冷房がが入っていました。西日本の4月と大差ない気温でした。出発前にいた東京の方が蒸し暑かったくらいなんですよ。
それでも、冷房が入っていました。
ストールを持っていたのが正解でした。あと、水筒に暖かいお茶を作っていたのも正解でした。それでも、かなり体が冷えてしまいました。
ここは冷房対策をしっかりとして、さらに食事は外ですることにした方がおすすめかな。
買ったもの
日本人だから?というわけでもないけど、美術館博物館では何か買いたくなる。台北の故宮博物院の物販コーナーは充実してるよねえ。しかし、上海博物館はそうでもない。しかし、2024年は、こんなの買った。

ユニクロの期間限定ストアがあって、Tシャツ買ったの。来年の夏のパジャマかなwww