姉さん、今のところロスバゲ(Lost Baggage)の経験はないのよね。
ただし、毎回の海外旅行ではロスバゲ対策は事前にとってるよ。先に自分の方で潰せる要素はできる限り潰そう。ただしこちらにできることは限界があるからね。そして、ロスバゲしたときに自分の方のダメージを小さくしよう。
その二本立てです。

(ミュンヘン空港)
ロストバゲージというのは正確に言えば荷物を紛失すること。多くの場合、遅延・遅着、つまりディレイも結構あるよね。ディレイまで含めたロスバゲについて書くよ。
2023年的な要素としては、2020年の春から航空需要(特に国際線)が一気に落ちて2年間壊滅状態だったところに、2022年に需要が一気に戻ってきたこと。この間、航空業界はクルー・パイロットのみならず、空港で様々なことをするハンドリングするスタッフが離職してるわけです。一朝一夕にスタッフが育つわけがなく。欧米の空港は大混乱で、預けた荷物が行方不明になることが多いみたいです。
日本はJALもANAも踏ん張ったと思います。ありがとう。とはいえ、福岡空港国際線ターミナルなど、手荷物検査の人が足りてないのだという空港もあるし。関係があるかどうかは知らんが、台北からの帰りに姉さんのスーツケースは、羽田空港でヒビが入って出て来た。
もちろん、状況次第ではあるのだけど、私も東南アジア方面や中国に行けるようになったらさっさと行っちゃった方がいいのかな?と思ってて。あわよくばヨーロッパまで。
乗客側で打てる対策は打っておくべきだと思う。
ロストもしくはディレイしない可能性を上げるためには
若い頃に欧州の空港で勤務する日本人グランドさんにお世話になったときに、いくつかお聞きしたことがあります。
どうしても預けた荷物がなくなる可能性はある。
なくなる可能性をゼロにできないけれど、なくなる可能性を減らすことはできる。
スーツケースの不要なタグやバーコードは外せ
ヒューマンエラーをなくすことが先決のようです。具体的には、不要なタグやバーコード、シールは外せ につきるようですよ。
スーツケースを預けると、どこからきてどこへ行くのかを書いたタグをハンドルなどにつけるじゃないですか。あれを付けっ放しで次に預ける人とかいるんですって。結構、変なことをする人はいるからね。もちろん、カウンターに人がいればそれは外してくれる。
でも、今は人員削減で、2019年時点でもそうだったけれど、預け荷物は自動で預けることが少なくなくなった。

(桃園線台北駅のインタウンチェックイン)
また、預けて戻ってきた荷物をよく見てくれればいいんだけど、今はスーツケースにバーコードを貼り付けて追っかけることが結構あるよ。
そこに変なバーコードがたくさん貼ってあったら?もちろん、劣化したバーコードなら間違えないでしょうけど。機械のエラー、ヒューマンエラーを引き起こしかねません。
「旅慣れてる」を演出しようとしてるんですかね。スーツケースにバーコードを貼りっぱなしにするのは本当にやめたほうがいい。
そういう方を見るとむしろ旅慣れてないんだな、と姉さんは思います。
バンドよりもカバー付きネームタグ
そのグランドさんに伺ったのだけど、スーツケースにネーム付きのバンドをつけるのも微妙なんだって。意外に、荷物を運ぶコンベアで解けることがあるんですってよ。
その方のオススメは、名前はネームバンドよりもカバー付きのネームタグだって。革製のネームタグが外れることは滅多にないからって。

それで用意したよ、こういうやつ。amazonあたりでも結構見つけやすいです。ちょろっと調べるだけで出てくるもん。
カバーが必要なのは、わざわざめくらないとならないから「オマチシテマシタ〜サン!」と、迎えを装った誘拐犯(強盗目的)が寄ってきにくいから。カバー必須よ。
間違えて持って行かれないようにするために
客が間違えて持っていくことがあります。間違えたふりをした置き引きの可能性もある。
私、一度羽田空港の国内線で爺さんに持って行かれかけたことがあります。言われたようにネームタグをつけてたんだけどね。ほんっと今より目が良いときで良かったです。
間違えて持って行かれないようにするためにド派手なスーツケースもおすすめだって。

よくある黒色より、派手目の色がいいよって。それでピンク色を買ったし、オレンジ色をレンタルしたりした。姉さんが借りるのはここ。↓アールワイレンタル。
トランジットを減らす
2023年的にはトランジット(経由便)は減らしたほうがいいかも。私はトランジット大好き人間ですが…。台北へは直行便でした。
しかし!トランジットしたいんだー。楽しいんだもん。
その場合には、「通し」で預けるってわかりますか?例えば、福岡空港から香港経由で台北に行くなら、福岡空港で預けたら桃園空港で荷物を受け取れるってことです。この「通しで預ける」のをやめて、経由地の空港で一度手荷物を受け取り、預け直せ、ということです。
TYO-BKK-SIN-KIXで目的地はSINみたいな感じなら、一度バンコクで入国して荷物を受け取って預けなおした方が良さげよ。
ところが、このご時世でトランジット客に入国・入境させない空港もたくさんあるのではないかなあ。そこのところはしっかり調べないといけない。
ロスバゲもしくはディレイしたときに
どんなにこっちが対策しても、ロスバゲもしくはディレイするときはするんだから。
次に考えるのは、ロスバゲしたときに、対応できるように準備をしておこう。
預けた手荷物タグは撮影しておく
手荷物を預けたら、タグ(Baggage Claim Tag)をくれるじゃないですか。これをスマホで撮影しておこう。
紛れて行方不明になることがある。このタグのバーコードに情報が入ってるから、バーコードをはっきりと写しておこう。
預けたスーツケースが壊れたのだけど、羽田のJALのグランドさんは、タグの照合をなさってたよ。
バッグやポケットの中で、タグそのものが行方不明になっても、綺麗に撮影していてバーコードを読み込める状態だと、追いかけられる可能性がある。
(逆に言うとSNSに写真をあげるときにバーコードは隠すべし、だよ)
預けた荷物を追跡しやすくするために、AirTagを仕込む
2022年のAppleの初売りでAirTagの4個セットを買ったんだけどさ。

一つから買えるよ。たまにAmazonでは安売りすることがあります。
国際線ならこれを仕込むに限るねえ。
AirTagは、近くにあるiPhone・iPadの位置情報を使ってトラッキングするので、必ずしも正確ではないと思うし、ずっと追跡できているとは限らない。
これが、2022年11月の台湾旅行の帰りです。

松山空港で預けて私はゲート前にいるのと、羽田空港で受け取る直前、そして、国際線ターミナルのJAL ABCに預けて私は国内線ターミナルにいる様子です。
ただし、最低限どのあたりに(AirTagが)いたのかくらいは追跡できます。向こうが完全に行方不明…と言ったときには、このあたりにあったという形跡が残ってますが、と情報提供できるということ。
iPhoneは日本ではシェアが高いし、海外でも中国ですら可処分所得の高い人はiPhoneを使う傾向にあるから、使い物になると思う。

昔モニターさせていただいた札入れが使っていたTrackRは、スマホから外れたらすっごい音で鳴き始めて、実用には耐えなかったよ。
それに対して、AirTagは追跡を始めないと音を出さない。あ、でも、AirTagを入れたバッグを、スマホを持たずに持ち上げたら、カラカラって音がした音があったなあ。
もちろん、他人のAirTagを入れられたら結構怖い。だけど、預けた荷物に仕込むには、2022年・2023年的にはAirTag一択だと思う。
これならスーツケースのハンドル部分につけても切れにくいかなあ。シリコンは切れそうだよね。
ただし、AirTagはボタン電池式です。充電式ではないけれど、小さい電池が入ってるんだけど、ってグランドに聞いて外に出したほうがいいと言われたら、出して、入れていいと言われたら入れるかな。純正のこれは、スリットが長いのが気になる。
1つ電池が…と出てきたので、マクセルの電池を買ってきて入れ替えました。
リンゴマークをきゅっと押しながら反時計回りに回すと「きゅーん」みたいな音を立てて開きます。
中身はパナソニックの電池だったのでパナソニックでも良いかも。
2022年11月の台北行きでは、私はマステでデコってスーツケースに入れたんだけど、それが正解かは今のところよくわからないです。
AirTag、安くはないよね。ということで、Anker Eufyのタグも追加
AirTagは仕込みまくるのには安くはない。AnkerのEufyもiPhoneの「探す」が使えるのよ。値段はAirTagの63%(くらい。時期にもよる!)の値段。

試しにAnkerのスマートタグを買ったら、私のように荷物を持っている確認に使うのには十分そうだった。完全にAirTagと置き換え可能ではないので、そこは要注意です。私には良さげ。
なので、次に安くなったら4個セットを買う予定。
Anker Eufy (ユーフィ) Security SmartTrack Link(紛失防止トラッカー)【なくしものが、無くなる / 紛失…
海外旅行保険に、航空機寄託手荷物遅延費用をつけておく
もしもロスト・ディレイした場合に、航空会社がある程度カバーしてくれる可能性があります。
アイルランドに出張したらBAがディレイしたんだけどBAがアメニティキットをくれたので、荷物が到着するまでそれで頑張って歯を磨いたりしてたって話を伺ったことがあります。
航空会社が全て青天井でカバーしてくれるわけではないんですよ。
その場合、どうしましょうか。
海外旅行保険をつけてないなんてありえないよね?こういう「手荷物の遅れ・紛失」もカバーしてくれるのが「航空機寄託手荷物遅延費用」です。オプションになってることもあるし、クレジットカード付帯の海外旅行保険にはついてないこともあります。
このご時勢でカード付帯の海外旅行保険の条件が変わってることもあるから、要チェックだよ。
航空会社がカバーしてくれる分か、保険会社が出してくれる分かどちらか一択と言われることもあるかもしれないので、ささっと計算しよう。
私は既往症持ちで、海外旅行には割高でも既往症をカバーする、AIGの海外旅行保険を買うのだけど、航空機寄託手荷物遅延費用もカバーされてたよ。⇒喘息患者は既往症にも適用される海外旅行保険を買って行こうぜ!
何でもかんでもカバーしてくれるわけではなくて、大抵こんな感じで条件がついてると思う。
- 搭乗便の到着後、6時間以内に目的地に運搬されなかったとき
- 10万円が上限
- 荷物が到着しなくても96時間以内に買ったもののみ
- 下着などの衣類費、生活必需品代
- 96時間以内でも荷物の到着後はカバーしない
みたいな感じ。各条件を確認しようね。
あと、海外旅行保険を請求したことがある人はわかると思うけれど、請求するには領収書が必要です。
領収書には、現地の言語で十分だけど
- タイムスタンプ(日付)
- 店名(住所その他あると良い)
- 買った物の名称と個数
- 金額
は最低限必須。
交渉
読者さんに伺ったけど、ルフトハンザだったのかな。フランクフルトから到着したら(多分関空)、グランドさんが自分の名前を書いて待っておられたんですって。
荷物のディレイだったんだそうです。
グランドさんが持っておられた書類を書いたそうです。おそらく事故報告書でしょう。この事故報告書がないと、海外旅行保険も請求できないから。
中身を確認しなければならないかもしれないので、ということでスーツケースの鍵もお預けになったんだそうですよ。
帰りだから良かったものの行きだったらぞっとします。
重要なのは、落ち着いてグランドさんに従うこと。もしも向こうから言ってくれない場合にないことに気付いたら、グランドさんを探しましょう。
帰国便だから特に交渉する必要はなかったんだけど、行きだったら交渉しなければならないかも。日本人グランドがいたとしても、その方が対応できるかどうかわからないので英語での対応です。
キーワードとして。
- Baggage Claim Tag (手荷物預かり証・引換証)
- Property Irregularity Report (事故報告書)
⇒[旅行英語] 外国の空港で入境・入国する時に使う表現、押さえておくべき単語
機内に持ち込む荷物は最低一泊分入れておくといいよ!
保障があっても、洗った下着じゃないと気持ち悪いし、服を買いに行く時間がもったいないです。
私の場合、どこに行けば何が買えるかある程度把握できている香港・台北が行き先の場合は、ま、いっか、と思いますが、夕方以降に到着するときはやはり持ち込みたいです。
ソウルも多少は目星がつくかな。
最低一泊分の下着は持ち込みたいところ。
あと、貴重品は持ち込む。これ必須。