このページの内容をまとめると
何があったかって?
順を追って説明するぜ。
ここはジャングルの中じゃないんだ、国防省前なんだ
王宮へむかうときのこと。つまり、三日目のツアーの朝ですよ。しょっぱなですよ。
⇒バンコク:王宮でエメラルド仏を見たよ!
国防省の脇を通っていたのですが、なんといいますか、イバラというか、細い枝がぴょーんと出てきたんですね。誰かが避けた後だったんじゃないかと思うのですが。それを私は左腕で払った。
麻のセーターを着ていたのですが、それが引っかかって、それで終了と思った。
が。しばらくしてずっきーん!と痛くなってきまして。
セーターの袖をまくると、トゲが刺さっていたのです。小さいトゲなんですが、針ではなくてむしろバラのトゲのようなものです。そのまま右手で抜きます。白くぷっくーと膨れてるんですよね。
小指の方にかけてぴーんと張るし。周囲は赤くなってくるし。今思えば薬指あたりまで軽く痺れていたぞ。
「トゲがささっちゃった〜」とガイドさんやTATさんにいうと、ガイドさんが塗り薬を使ってくれたのです。TATさんは「タイの万能薬ですよ」ということでした。
だからだね、「私、ジャングルに入るわけじゃないし。何かに刺されるわけなんてないのよ」なんてお思いなさるな。バンコクの中心部で私はちっくんされた。
何かおかしいと思ってだね。撮影してみた。
どんどん膨れてくるんですが
それがねえ・・・どんどん膨れてくるんですよ。
痒みよりも痛みが強い。熱まで持ってねえ。変よねえ。お昼ご飯を食べて、サイアムで降りてもいいよ、ということなのでサイアムで降りました。
ホテル近くのスーパーに行って帰りに薬局があったので見せてみました。南国なんでこれに適した薬があるだろう、と。
“Insect?”(虫?)というので”Plant, maybe”(多分植物)と答えて90バーツで購入したのがリンデロンの隣のSANOCOAT-A。これもステロイドのようです。
ホテルに帰って薬を塗って。
夕食行ってからまた外に出て。夜戻ってみるとどんどん膨らみ、どんどん熱を持ってくるわけです。
写真でお見せしたらある方が「アレルギー起こしてません?」と言われるので、やばいと。
アレルギーなら、アレロックあるし、持ってる中で最強のステロイド:リンデロンVGには抗生剤も入ってるんですよ。
リンデロンを塗って、アレロックを飲んで寝るのですが、不快で寝付けない。大昔、アレロックでは全然眠くならなかったのに、8年程度使ってないとアレロックでぐったりときてしまうようになったのですが。
痛くてたまらないし、不安の塊です。
病院に行きたいよ
ちょっぴり寝て、翌朝5時くらいにAIUに電話した、ということなのです。起きると全然良くなってない、というよりもどんどんおかしくなってるので不安で不安で。
ひどいでしょ。「トゲ 膿」で画像検索しても出てくるものは全然違うしね。
しかも、夜は日本へのフライトです。そこでぶっ倒れても困るよね。
幸い、AIUの既往症対応の海外旅行保険を買っていた
主な目的は喘息対策でした。なんらかのきっかけで大発作を起こしてしまったときに病院にぶちこんでもらえるように、病院に行けるように、という目的です。私は成田で前泊しないとならないので三泊五日ではなくて六日分にして、一番安いブロンズタイプで6000円強。
AIUのカスタマーサービスの電話番号がよくわからず、検索しまくって見つけた番号に電話をかけました。
かかった先はアメリカだと思う。アメリカの番号だし、時間的にもアジアではなくてアメリカではないかなあ。
以下ではダイジェストでお送りしますが、詳しくはこちらに ⇒海外旅行保険には入るべきだということを実例を挙げて説明するぜ
伝えるべきはこれ
- 契約者番号
- 今、バンコクにいること(早めに場所は明確に!)
- 日中あるいていてトゲにささった(何があったのか)
- その箇所が熱を持って異常に膨れ上がった(症状)
- 病院に行きたいのだが、キャッシュレスサービス対応の病院はどこにあるか(ニーズ)
- 日本語が良いけれど、英語でも可能
- 滞在中のホテルの郵便番号がわかれば、近くの病院を探しやすい
- 折り返し先の電話番号
病院を探し出してくれて、病院に受け入れてくれるかなどを聞いてくれて、折り返して電話をしてくれました。
- 緊急の場合は24時間受付てくれて、英語のできる医者がいる
- 7時から病院が開くが、そちらなら朝8時に電話をして予約を取り直してほしい
とのことでした。
6時から朝食が開始なので少し食べて、TATさんにメッセージを残しておいて、そのままタクシーに乗って病院へGO。
AIUからは、契約者番号とパスポート番号は病院に伝えてある。もしも、キャッシュレスができないようであれば、AIUに連絡してほしい、とのことでした。
AIUで見つけてもらったバムルンラード病院にて
タクシーで乗り付けた病院はバムルンラード病院。
写真は処置が終わって帰るときに撮影したものです。
大病院です。
タクシーを降りてEmergencyを探してヨロヨロしていると、誰かが「あっちだよ」と教えてくれた。(もちろん、写真は出るときのもの)。6時半に到着して、9時半まで3時間いた。
何を伝えたかしら、ちっくんされたところを見せて、AIUの保証(電子保証なのでコピーなんだけど)、パスポートを見せて、いろいろ書いて、病院のカードももらったんだったっけ。そして処置室に入ったわけです。待ち時間なし。
スタッフの皆さんマスク姿です。
ナースたちもドクターもみな私に触るときは新しいゴム手袋をつけてから触れました。日本の大学病院と比べても清潔そうに見えます。
注射か点滴が必要だろうと思っていたので、微妙に針が心配だったんですね。しかし、この病院に限れば大丈夫じゃないかという、安心感がありました。
また、東京の病院の夜間救急に行ったことがありますし、地元の休日診療所に行ったこともあります。どちらも戦場だったんですね。それとくらべると、ですが、多少余裕があるようにも見えました。
ずーっと脈をとられてました。
なお、この数値は私にしてはちょっと高めです。下が100を越えると高熱を出すことが多いです。97なら・・・まあ微妙かな。熱は36.9度。時期を考えるとそんなもんでしょう。
見せるとみなさん「これはひどくItchyだろう」というですけれど、Itchy=むずむず、というよりは、明確にPain=痛み。Not itchy but pain, strong pain, throbbing. めっちゃ痛い。ずきずきする。と英語で症状を伝える必要があるのです。
植物の棘だと思うんだが、というとドクターは「植物とは思えない。虫に刺されたように思えるねえ」とのことです。「こういうことは初めてなんで、なんなんだろう」「虫に刺されて、ひどいアレルギーを起こしてると思う。注射を打って、1時間以上様子を見るよ。それで、引いてくればいいんだ。引かなかったらまた別のことを考えないといけない」
Tetamus Vaccineを打たないとならないと思うんだが、と言われたので、ググる。破傷風。それは覚えてる。2005年の3月に打ったっきりです。日本ではなくてアメリカで打った。狂犬病との混合ワクチンだった。「だったら、必要だね」ということで打たれることに。これは筋肉注射なのですんなり入った。
ただでさえ針を入れにくいのに、血管が収縮しちゃってね・・・ちっくん!ちっくん!ちっくん!
採血して血液検査をしておくよ。ということで血も抜かれた。(これは右手の甲)。どうも、点滴を入れる時のような、ふっとい針を一本刺して、破傷風ワクチン(筋肉注射)以外は全部同じところに入れるつもりだったらしいのですが、右手の甲は血を抜いた段階で壊れてひどい内出血を起こしました。
「いやあ、私、点滴するときにナースたちは結構失敗するんだよね。だから、気にせずに次のところを探してみて」というしかない。
いろんなナースが入れ替わり立ちかわり、右の肘の内側(ここはわりによくすっと入るんだけど)を壊し、右の腕ど真ん中も壊ししておろおろ。「・・・痛いわよねえ。あなた、もともと入れにくい上に、ものすごくひどいアレルギーをおこしていて、血管が収縮してるのよ。」ということでした。
「確かに痛いんだけど、左手のこれと比べるとまだマシなくらい。ね、右がだめなら左やってみたら?」
「いやあ、あんたのソレ、左にあるからさ、左はあまりやりたくないんだよね」というのですが、結局入れられたのは上の写真の通り、左の甲でした。
なんだかぼわーんとしてるので、どのナースがお入れになったかわからないのですけれど、ありがとうございました。メインで担当してくださったナースは、マイペースというか「ゆったり」とした方でした。
患者としては、こういうナースさんって安心できます。
「いっくよー。この注射は体がむず痒くなる。副作用だから仕方がない」と入れられた薬は「毛」のあるところがぶおおおおおおおおおと不快感が走るものでした。ええ、おまたに脇、頭というあたりが全部逆立つ。
「おえええええ。めっちゃItchy。コレよりもItchyだよ〜」
「そういう薬。しばらくしたら次の薬いれるよー。これをやると体がすごくだるくなる。そういう薬だから」
そのうちに人がいなかった両隣のブースに患者が入ってきて、「とぅとぅとぅ!」と泣き叫ぶ人がいたり。ナースによると「あの人は中国人だねえ。韓国人は◯◯って叫ぶ。日本人は?」「いーたーい!じゃあ、タイ人は?」「ぜー(む)」「じゃあ、ぜー(む)!ぜー(む)!」とやっていました。ほんっとに、腫れ上がってるところも痛いし、注射も痛かったんだもの。
合計注射は三本打たれました。
なにかにちっくんされて、病院でもちっくん5回されて、タイで合計6回もちっくん!まるで私の腕はヤク中か何かのようでしたよ。これでうまくすんなりとタイを出国したり日本入国できるか心配になるレベルでした。(タイはエイズのみならず、薬物汚染もかなりひどいイメージがあります。薬物犯罪に関しては、これを一掃しようとかなり厳しそうですから)
ぼおおおおっとしているうちに、血液検査の結果が出て、「異常はなさそうだね。患部も治まってきたね」ということでしばらくしてGO。
一時間でかなりひいてきました。ああ助かった。
待合室のカートの上にはカップとストローがあって、カップにはパックされた水がありました。私はもらわなかったけれど、もらっている人たちはおられました。
- Doctor’s fee: 1,500
- ER: 450
- Facility: 360
- Laboratory – Clinical: 440
- Medical Supplies: 2,107
- Medicine: 5,953
というわけでトータルは10,810バーツです。AIUへの請求書を出されて「こことここに書いて」と言われて必要事項を書いて、薬の説明をしてもらってGO。
10,810バーツも持ってなかったし。
クレジットカードが使えるか否かもわからないのですが、そもそも2000バーツ程度しか持ってない私、最後の日だし、500バーツも残ってなかったのです。
本当にねえ、キャッシュレスサービスはありがたかったです。
ただのアレルギーでしょ、ですまないこともありますのでね、体がいつもとは違う反応をしたときには是非病院へ。
アレルギーっ子なもので、多少割高でも既往症対応の海外旅行保険を売っているところがあって、本当に助かりました。
バムルンラード病院とは
バムルンラード病院は、タイのメディカルツーリズムの中心地のようなところっぽいですね。
ランドマークホテルのマダムによると、バムルンラード病院はBTSからは少し離れるので、日本人はBTSの駅から近い別の病院に行くのだ、とのことです。
どちらかというと、中東の方々が一族を引き連れてランドマークホテルに宿泊して、バムルンラード病院で人間ドックを行うんだとのことです。そりゃ、いろんな意味で余裕があるから、ナースもゆったりと患者に接することが可能ですね。
また、まだ年若く、私よりもひょっとしたら若いのではないかと思われるドクターもゆったりとしておられました。トロいのではなくて、余裕がある感じで、安心できました。
英語で症状を説明することはできる、ただし、薬の名前やワクチンについて英語で言われても必ずしもわからないから、紙に書いてくれると嬉しい、というと、ドクターやナースが書いてくれました。それで検索ができました。
⇒タイのSIM:True MoveもやっぱりAmazonで買ってタイで使ったよ!
成田到着後、健康相談室へ報告しておいた
TATさんに成田の検疫に報告したほうがいいですかね?と聞いたのですが「ええ!?ただのアレルギーだと言われたなら、特に騒がないほうが」と言われたんですが。
内心、え?騒ぐ?って逆にびっくりした。
「何に」刺されたかの特定はされなかったんですよ。応急処置でしかない。なので、ひょっとして何か奇怪な病気を持ってたらどうしよう・・・って思うでしょ?思いません?潜伏期間中にすり抜けちゃって、ニュースになるのは、姉さん嫌よ?
ただし、TATさんはタイのプロだもの。そういう方に「いらないんじゃない?」と言われたら、まあ、そうかもしれないとも思いますし。到着してから考えようかな、とも思いました。
たださ、実際に成田の検疫のところで、「海外滞在中,虫に刺されたり・・・」と表示されたら、もう行っておくしかないじゃない?現実に、私、刺されたよねえ。植物だと思ったけど、虫だったらしいしねえ、というわけで健康相談室の前にお姉さんが出ておられて、中は空っぽぽいし。お姉さんと目があったらこりゃ行くしかない。中にどなたかがおられたら、ピンピンしている私なんぞ行っていいものか戸惑いますが・・・。
そこで相談しますと、「既往症対応の海外旅行保険を買って」「病院に行った」という判断は正しかったようです。
健康相談室で解説していただいた
もちろん、私、英語でいいんですけど、医学用語がわかるわけではないし、医学的な知識もありません。できれば日本語がいいけど、日本語ではないなら英語でいい、程度だったのです。
ここで、簡単にですが解説していただけて良かったです。
私は、症状・起きたことは英語で伝えられる。
なので、病院を全面的に信頼した上であれば、英語で診察を受けることは可能です。今回みたいに時間が読めないようなときなんかは、英語で十分。
しかし、言われたことの全てがわかっているわけではない。つまり、わかってるようで、わかってない。それは単語を知らないというのが一番大きいのです。
いただいた資料を全部お渡しして、その中の血液検査の結果を見てもらって、「ちょっと白血球値が高いですが、正常なときの数値を見ないことにはわからないですねえ」
また、薬を見てもらうと、「タイの薬なので変な薬ではありません」との上で、タイのドクターの意図は◯◯であろう、という解説をしていただきました。
病院でいただいた資料を全部提出して、コピーをとっておいてもらいました。
また、書くところに、便名・座席番号まで書かされますからね。
さらに、発熱などがあった場合に行くべき病院のリストもいただきました。これで異変が起きても、病院・地元保健所から成田に記録が残ってるから、機内で近くに座っていた方などへの連絡もしやすいはずです。
実際には、二週間後も私はぴんぴんしております。発熱もなかった。タイで処方してもらった抗菌剤がうまく効いたのかもしれませんし、必要ない処方だったのかもしれません。
ただ、刺されたところの中心は2週間たっても痕が残ってますし、まだ少し「ふっくら」しております。