美術史博物館といえば、ブリューゲル。もちろん見たよ。
ハプスブルグ家はフランツ・ヨーゼフ&シシーの時代にはオーストリアとハンガリーだけになってしまいましたが、カール5世の時代には、カール5世の時代にはスペイン・オランダ・ベルギー・ドイツを統治しました。
わたしがこの中欧あたりで好きなのは、神聖ローマ皇帝であって、オーストリア・ハンガリー皇帝じゃないんですよ。まずは、ルクセンブルグ家のカール4世、そしてようやくハプスブルグ家のマクシミリアンとか(名前からしてすげーよ)、なんか気に入ってるカール5世、せいぜいマリア・テレジアまでです。ナポレオン以降は正直なところあまり興味がない。(しっかしウィーンのフランツ・ヨーゼフ&シシー推しはひどかった。)
全盛期を考えればわかると通り、ここのルネサンス・コレクションは素晴らしい。もちろん中世コレクションなんかも見事です。
ただし、明らかに帝国主義に乗り遅れたところだなあ、と思わされるのが古代コレクションがあまり充実していないところから見て取れます。それはメトロポリタンと比較しての話なので。やっぱり「ごろごろ」してますよ。
ゴージャスな建物!
あー、この入り口の豪華さ。
ただ、フランツ・ヨーゼフが建築させたので、すでにハプスグルグは斜陽。ルーブルが宮殿を美術館にしたのとは違い、この建物は元から美術館として建築された建物です。美術館史とかかじってから見ると、すでに市民社会になっていたのだということがよく分かるわけだ。
向こうにあるのは自然史博物館で、美術史博物館の写真は撮ってないや。ただ、同じ形で対になっているので。
この真ん中の像はマリアテレジア。オーストリアはシシーとフランツヨーゼフ押しですが、センター世界史レベルで、オーストリア関連で覚えておかねばならないのは、カール4世(ルクセンブルク家)、マクシミリアン1世(ハプスブルグ家)、そしてマリア・テレジア。そのあとは宰相メッテルニヒ。
これを上から見てみよう。
天井もいいよ!
時間がないなら、普通の方ならフランドルコレクションとかイタリアコレクションの絵画コーナーで「有名な」のを見れば?なんですが、
私?メトロポリタンでもここでもまず走った先は古代コレクションなんですよ。次は中世ね。古代エジプトなら日本にもそこそこ来るし、ルネサンスもそこそこ来ます。
しっかし、ローマ狂いな上に、私は中世らぶ。だからなんでラテン語履修するんだよ、文学部じゃないのに。愛してるからに決まってる!amo amas amat, amatis amatus amantからラテン語は始まるんだぜ。私のローマへの愛そのものじゃないか。しかし、このままローマ時代や中世に飛ばされてもコミュニケートできんよ?
そしてはっきり言おう。ハプスブルグの全盛期は1500年代、カール5世の時代。イタリア・ルネサンスも良いが、生真面目なドイツの金細工フェチが炸裂したようなものを私は見たいんだ。
エジプト・メソポタミア・ギリシャ・ローマ
確かにエジプトものもメソポタミアものもギリシャものもあります。
しかし、でっかいじゃない?あれをオーストリアまで持ってくるって、インフラ&ロジスティックがそこそこ整ってて、運ぶ動力がないとできないことです。
そうすると、あそこまで行って、母国まで持ってこれるってどの時代なのかというと、まずはナポレオン。ナポレオンはパリに持って帰るでしょ。そういや、王宮とかいろいろ見てるとこのウィーンあたりでは(少なくとも貴族や為政者にとって)ナポレオンが恐怖の対象だったというのが見て取れます。そして、本格的にエジプトだのシリアだのイラクだのから発掘して持ち帰るとなると、帝国主義の時代になります。
もはや、ハプスブルグの時代ではなかった。
エジプトコレクションやメソポタミアコレクションで良いなと思った写真もちらほらあるのですが、撮ってるのがこの天井なんだなあ。まだ建物にうっとりしてる。美術館としては間違ってるぞ。
ギリシャ・ローマコレクションになるとそこそこ写してます。
無造作なんだな。ここ。ニューヨークのメトロポリタンでの華やかさとか、「綺麗に見せる」という見せ方とは多少違うんだよね。大物は置いてあるだけだし。
こちらはアルテミス。
そしてこれは誰だ?
若い男性で笛を持ってるのかな。何を持ってるのかな。顔が楽しそうだしなあ。アポロンにしては超楽しそうなんだ。神様ではないのかも。
でも、手で持って帰れるようなものも多いんだよねえ。
かわいいヘラ。しかし私は女神ならパラス・アテナ一択。
しかし、神より人のローマっ子でして。アウグストゥス(絶世の美男)は見かけなかったような気がするなあ。メトロポリタンなんて視線を感じたらアウグストゥスが「俺を探してるんだろ?」って顔してたんだけど。
ポンペイの誰かん家から引っ剥がしてきたに違いない。
こっちのほうがうきうきする。
中世コレクション
中世かルネサンス期だったと思うけど、素朴な金細工が素敵。一番好きだったのはがこれ。
なんだけど、こっちも捨て難い。
帽子を見てると教皇かなにかじゃない?ということはペテロ?
素朴なくせにいちいち金かよ!というのがハプスブルグらしいよ。
中世ものって多少不気味ちゃん。
写実的といえば写実的だからルネサンスになってるのかしら・・・。今日からルネサンス!というふうにはっきりくっきりぱっきり分けることはできないからねえ。
黄金の、シリーズ
もはやルネサンスでもない時代のものかな。
黄金の地球儀など。で、これ、天球儀なの?地球儀なの?
日の沈まぬハプスブルグ家〜。いや、あれはスペイン・ハプスブルグ家であって、オーストリア本家と別?でもないか。まあ、良いんじゃない?ほら、スペイン・ハプスブルグ家からブルボン家に嫁入りしてもアンヌ・ドートリッシュ(オーストリアのアンヌ。ルイ13世妃。ルイ14世の母)に、マリー・テレーズ・ドートリッシュ(オーストリアのマリー・テレーズ。ルイ14世妃)だったから、建前はオーストリアが本拠地だったのかな。
黄金の・・・計量器?
こんなもんまで金にしなくても、というよりも、金で作るかよ、こんなもん。金なんて柔らかい金属だぞ、実用に耐えるかよ?って絶対フェチだ。
ハプスブルグの皇帝ってみなさん手先が器用なんですよ。鍵とかさ・・・。皇子たちはみんな何か手に職をつけるのが伝統だった記憶がある。まじで、ドワーフみたいだよね。それでかしらねえ。こういう金の細工のものがすごいのよ。
圧巻はこの黄金の船!
近くで寄ってみよう。
もうううううう。すごいの。で、何がすごいって、これ動くらしいのよ。大砲のところはぽこぽこ煙を吐くのよ。写真にも動画にも撮ってないけど、ディスプレーにそういう動画があったの。
もう一度この黄金の船を見るだけに美術史博物館に行きたいなあ。
自然史博物館には行ってないしなあ。
美術史博物館その他情報いろいろ
レストランもあったけど、お腹が空いてなくて食べなかった。
私はコンビチケットで回りました。ここだけのチケットだったら14ユーロですが、セットチケットは20ユーロと安くてよかったよ。
⇒美術史博物館・新王宮・宝物館をコンビチケットでまわる
あ、重要な情報。
ここ、コインロッカーがあるよ〜。
ここでバシバシ写真を撮ってますが、「フラッシュ禁止」ですから。日本でも常設展は写真可のこともありますが、フラッシュはダメだから気をつけてね。そこそこ良いカメラじゃないと映らないの。特に、中世コレクションあたりは暗いから、いくら腕が良くてもそこそこ良いカメラじゃないと物理的に不可能。(ほぼ)衝動買いのようにミラーレスを購入したのですが、腕によらずになんとかお見せできる写真が撮れたので正解でした。
黄金の船とか聖母子みたいなのとか撮影できてよかった。
⇒ミラーレスカメラは買ってよかったものの一つです