京阪バスの京都定期観光バスの「嵐山・金閣寺・伏見稲荷大社」コースを購入しました。プランなどについてはこちら。⇒KKdayで京都定期観光バスのツアーを購入したら、外国語枠だった!
嵐山での時間は本当に短くて、1時間半くらいだったかな。
竹林は狭いのにすっごい人で、自撮り自撮り自撮り、ああ、ハッピーでいいことですね。ぜひ我が国を楽しんでくださいませ。
しっかし、(読み続けてくださった方は)わかると思うけど、姉さんは人混みが苦手です。
亀山公園にて
「時間がないのでお勧めしません」とガイドさんに言われた亀山公園の方に抜けました。というか、逃げました。
天気もいいしね。
実はもクソもないんだけど、今回の「巡礼」の隠れたテーマは鎌倉時代の変態さんオンパレードの「とはずがたり」。
前半はほぼ18禁。
キャッシュを完全にクリアした状態でもエロマンガの広告が配信されることが結構あってげんなりしていたんだけど、あんなもんじゃないから、この前半は。本当に。特に後深草上皇がどんな物語もぶっ飛ぶ陰険・変態ぶり。
作者の二条たんも、「源氏物語」と重ねに重ねて、文学的効果のためなら元寇については言及しないわ、死んだはずの祖父さんは生き返らせるわ。まさしく「一人称」の「語り手は信用できるのか」問題を孕んだ散文が、鎌倉時代、それも南北朝時代に差し掛かりかけているところで成立しているというのは、誇っていいと思う。
「後深草院二条」と言われて、そもそも後深草上皇がメジャーじゃないからどういう時代かわかりませんよね。この頃めっちゃメジャーな事件は元寇。第一次も第二次も、鎌倉には若き執権・北条時宗がいて、鎌倉から見たときの京都の窓口には、これがまた若き関東申次・西園寺兼実。この人が作者二条の初恋の人で、物語の中では一番常識人に近くて紳士的で奇行が少ない。
この変態紳士・西園寺兼実氏は長生きして三女が後醍醐天皇の中宮。なのでね、北条時宗から後醍醐天皇の直前が「とはずがたり」の舞台だと思ってくれればいいわけよ。しかし、兼実が近くにいたのに元寇の話は完全にすっ飛ばして行く二条たん。確かに「源氏物語」には蒙古襲来なんてないけど、「源氏物語」には粥杖事件はないぞ、このお茶目さん。
どれだけ作者の二条が信用できないのかって、そんな話はおいておくけど、お茶目な二条たん。多分変人なんですよ。
この後半の紀行文部分でも、二条たんは集団行動ができない。「一緒に行きましょう」と長野の善光寺に行くだけは行くのだけど、「私はここで籠ります」って一人で抜けちゃう、とか。
前半の二条たんには私はちっとも感情移入ができないんだけど(でもお茶目に書くから笑いながら読める。エグいんだけど本当にお茶目さん)、後半のこの集団行動ができない、その気持ちがわかる。痛いほどわかる。疲れるよね。精神的に。
あの、竹林にいる人たち、一族郎党で来てるのかもしれないけど、よくやれると思う。
そんなことを思いながら亀山公園に登って行くと。
亀山天皇火葬塚
「後嵯峨天皇火葬塚・亀山天皇火葬塚・後伏見天皇火葬塚」
ぶは!って笑っちゃった。
は!?亀山天皇!?!?
確かに!ここは!亀山!!!
ここ、どうも社会見学っぽい小学生たちがお弁当を食べてたんだけど、その少し手前の竹林側の脇。
ひっそりとこの三天皇の火葬塚があります。火葬塚なんてものはやっぱりあまり気持ちの良いではありません。もちろん、宮内庁が手入れをしていますが。
それでも繰り返して言おう。そんなに気持ちが良いところじゃないわけよ。
そこで一人で笑い始める私・・・。
側から見たら絶対危ないんだけど、どうしようもない。
ああ、「とはずがたり」
この「とはずがたり」の中で、男も女もかなりボロクソに描かれるのですが、関係を持った男たちの中で読者が最も嫌悪感を持つように描かれるのが「近衛の大殿」。次いで「しつこい男」との感想を抱くように描かれるのが亀山上皇。(新院=亀山上皇とのシーンでも、近衛の大殿とのシーンでも、一番変態的な行動を取っているのはもちろん、後深草上皇)
二条の恋人の「有明の月」は仁和寺の性助法親王と見て、仁和寺に行ったし、性助じゃなければ、その先代門跡の法助なので、いずれにせよ、仁和寺。「とはずがたり 」「徒然草」は横に置いておいても良い寺だった。⇒仁和寺で金堂の裏も見てきた
なお、このツアーの中で嵐山の後に行くのが金閣寺で、実はこれが二条の初恋の人「曙の雪」こと西園寺兼実の邸宅跡。別の日に行った石清水八幡宮はもちろん、二条と後深草上皇が再会したところです。
このツアーで最後に行く伏見稲荷大社には二条たんが行ったって書いてないけど、名前だけは出るんです。
泊まったホテルは値段とロケーションで選んだ四条堀川だけれど、思い出せば、すぐそばの四条大宮に二条の乳母の家があって、二条たんはここで曙の雪と忍んでた。
まさか亀山上皇ゆかりのところまで行くことになってたとは、二条たん。
私の突然の平安時代フィーバーが、鎌倉中期から末期の「とはずがたり」に行き着いてしまって、京都までぶっ飛んできたんだけど、あんたはとことん私を呼ぶわねえ。
これなら笑うでしょ?(だけど、それが京都よね)
あとで調べたんだけど、「嵐山」「嵐山」というけれど、山としてはこの観光地・嵐山は「嵯峨」。
平安初期の子沢山で知られた「嵯峨天皇」は今は大覚寺になってるところに嵯峨御所を設けた。これは良いよね。
天龍寺は、実は鎌倉時代の後嵯峨天皇・亀山天皇の亀山殿の跡にある。
あ、はい。そもそもこのツアーを買おうとした段階で、亀山上皇も含まれてたのね。
時間があまりないので、さっさと歩くしかないけどね。
うまく写真が取れなくて出さないけれど、この亀山公園を降りるところから保津川を見た景色は確かに綺麗でした。別荘地として選ぶのもわかる。
二条たん、見せてくれてありがとう。全く同じ景色ではないだろうけれど、あんたも見てるよね、きっと。
今回の嵐山はこんな順番で。
そのほか旅程などはこちらに。⇒KKdayで京都定期観光バスのツアーを購入したら、外国語枠だった!