このページの内容をまとめると
2020年4月に腹腔鏡下胆嚢手術を受けました。胆石症で胆嚢を取ったの。
胆石症の人は、女性の方が多いという話ですが、30代女性のブログはあまり多くなく。一番不安だったのは術後「どうなるのか」ということでした。
N=1の、1人の患者の体験ということで、今後胆嚢手術に向かう人の助けになれば、というのがこの記事の趣旨であり、医学的なものではありません。
また、虚弱体質を自認する割には幸運にもスムーズに回復することができました。多分いつもご機嫌でワークホリックな主治医の腕がよかった。この先生にあたったのも幸運だったと思う。
ただし、人体に侵襲する行為なので、既往症の有無(私は喘息)、合併して別の病気があった場合の難しさ、不運にも誰も責めることのできない心臓や脳への影響が起きる場合などあります。
幸運にも合併症も事故もなかった私の場合はこのような経過を辿って回復していった、というのがこの記事の内容です。
- 喘息持ち
- 胆石症
- 肝臓への癒着なし
- 膵臓への影響もなし
- 腹腔鏡手術のみ
- ドレーンなし
という、場合です。
検査後、手術に至るまでと手術についてはこっちに書いた。⇒腹腔鏡下胆嚢切除手術。全身麻酔はあっという間に効くし、おむつも履かされてる
当日の夜
手術室から観察室に行き、痛い痛いと私が大騒ぎ。電気を消す?と言われても、怖いからやめてって答えたのは覚えてる。
ぼんやりと夜になっていくのはわかったけれど、寝てるんだか寝てないんだかよくわからないのよ。覚えてるのは、どのナースがついてくれたのかと、痰が出なくて呼吸困難になりかけたこと。
手術の説明をされてビビりまくってた私に、術前の説明をして、「(あなたが)手術から帰った深夜から朝は、私が担当だから安心して。痛い時なんかはすぐに呼んで。駆けつけます」と言ってくれたナースが来てくれて、深夜なんだとわかりました。
ナースが何度も体温チェックをしてくれたけれど、一度37.9度まで上がりました。傷口があるときの熱ですね。
電気毛布を外す?と言われたけれど、電気毛布は欲しかった。
暑くて汗をかいたと言う話も聞いたけれど、おそらくそれは電気毛布だったのではないかと思う。私はちょうどよかった。ちょっと汗かいたけれど。
浅い呼吸。痛い喉
これは喘息持ちだからかもしれません。酸素マスク万歳!というわけでもなかったんだ。
肺を膨らませると胸が痛くて、おそらく胆嚢をとったところに響くのでしょう。そのため呼吸が非常に浅くなりました。その後緩和されていくのだけど、退院したときにもまだ呼吸は浅かったです。術後一ヶ月近く経過して、今は平気です。
喉が痛いのは、全身麻酔をすると呼吸が止まるので人工呼吸器をつけていたからです。
ただでさえ痰が出る人で喉が(微かに)痛くて痰が出てくるのに、この処理を頼まないとならないのもつらい。ナースが酸素濃度を見て「いつも酸素濃度は十分あるし、酸素をとりましょうか。酸素で喉が乾いてると思う」というので、酸素を取り、ティッシュの箱も枕元に置いて、ビニール袋も用意してもらって自分で処理できるようにしてもらいました。
翌日(手術後1日目)が一番辛い
深夜番のナースがカーテンを開けて、朝なんだなあと思ったけれど、体温は確か37.5度くらい。
夜勤明けでも日勤でも、お休みの日でも、週末含めて必ず早朝に一度現れる主治医がごきげんで(1人で)現れて、痛いって泣いて鎮痛剤を打ってもらいなさいと言われて、ナースに鎮痛剤を打ってもらったような記憶があります。筋肉注射なのでこれはこれで痛い。
呼吸も練習していたけれど、非常に浅くしか呼吸できなくなりました。呼吸訓練はもっともっとやってよかった。
体の動かし方がわからない
脳の思いつく「ぼくのかんがえたさいきょうのからだのうごかしかた」が全く通じない。もともと、「こう動かしたい」と「動ける」が乖離してる人だけど、そんなもんじゃなかった。
足には重たいマッサージ機に繋がれているけれど、足首は動かせます。問題は手。右手は痰の処理で動かせるようになっていましたが、左手は指は酸素濃度を測ってるし、さらに腕に点滴が入っていて、動かすに動かせないんです。肩が凝るというよりも腕を動かせないのがつらかった。
おかしいな?と思ったのはまず尿
膀胱にはカテーテルを入れてたのだけど、なんかおかしい。膀胱は多分パンパンなのにおしっこが出ない。おしっこ、どうやって出すんだたっけ?と思いながら、訳が分からなくなってナースを呼びました。そこで深夜番のナースではない人が来たので、日中のナースの時間になったんだなってわかりました。
多分、何かの拍子にカテーテルの管が曲がったか何かしてたようです。 違和感を感じたら聞いてみると良いよ!
回診のナースがやってきて、採血して電動ベッドを動かして足を曲げて、体を持ち上げてくれるとかなり呼吸が楽になりました。肺が下がるから呼吸できるようになる。喘息でもそうですね。やはり、熱は37.5度くらいはあった。
主治医の正式な回診のときにチューブは硬膜外麻酔と点滴以外は外して良いよ、ということになって、モニターする必要もないほど、心拍数も酸素濃度も安定してた。
ひどい立ちくらみ&めまい
昼をすぎてから自分の病室に戻されました。病室に戻って再度の鎮痛剤(注射)。初めて立つときは、1人では立たないことと言われていたけど、わかったわー。危険。本当に危険。
腹筋が使えません。で、どうやって足を動かすんだ、体を起こすんだという話。体の動かし方がわからない。脳で考える「動かし方」では体が動かないのよ。
ナースに手伝ってもらうけれど、点滴で左手を取られてて、右腕の力を使うんだということがわかってきます。手術の時に左手を(点滴に)使いたいというのはこういうことだねと。術後に弱った体で頼りになるのは利き手一本。
ただ、体の左側に術部がある場合、手術の邪魔になるから右手に点滴を入れるだろうと踏むと、左手かー。左手かー。
「首都圏では日帰り手術も行われるようですよ(うちは、高齢者が多いから抜糸後までゆっくりとされていかれます)」と主治医に言われたけれど、これ、午前中に手術を受けて夕方帰宅なんてできるわけないじゃん?という感じ。
ようやくのこと立たされるとすっごい立ちくらみに襲われました。目の前が白黒になり音が聞こえなくなるやつ。それは私が術前から入院する必要があり、しかもしょっちゅう採血されていた上に生理中(終わる頃)だったからかもしれない。車椅子に乗ったお姫さま待遇で自分の病室に戻りました。
その日は文字を読むのもなかなか困難なほどめまいがありましたが(それなのにiPhoneで英文読んで英文書いてたんだぜ、姉さん・・・)、あれほどの立ちくらみは二度とありませんでした。
剥がされるおむつ
さて、気づかない間にされていたおむつ&尿道カテーテル。
病室に戻る直前に有無を言わさず尿道カテーテルが取られました。そうだ。おむつも自分で脱いだんじゃない、剥がされた。他人におむつをされるのも、おむつを剥がされるのも、赤ちゃんぶりだぞ!
大人としての尊厳なんぞどこにもない。
それをいいことにこっちも赤ちゃん化したから仕方がない・・・。
服など
この段階でようやく自分が腹帯をつけていることに気づくなど。これは荷物に入ってたやつですね。
締め付けないタイプのブラは、ちょうどアンダーに当たる部分が傷口(2番目に大きい)だったので、この日はやめておきました。観察室に持ち込む荷物の中にはおパンツは必須。というわけで、ブラはなくても特に構わない。
その上に術着を前後反対にして着てた(着せられていた。つまりどこかで私はおむつ一丁にされたのか・・・)んだけど、(検査の時に来た)病院着が嫌いで、Mamazonに服を持ってきてもらうまで術着とその下にタンクトップで通しました。
ぷりーず、電動ベッド
実は私の入院した病院は赤字垂れ流しの公立病院です。献身的で入院患者に面倒見の良い病院だと思いましたが、実は赤字垂れ流し。新規入院患者には院長先生が直々にご挨拶に来られる程度に(患者の人数に)余裕がありますが、本当に赤字垂れ流し。
それでも、数年前に建て替えられていて、きれいになって、温度管理もきっちりとされていたけれど、カートであったりベッドであったり、昔のものをまだそのまま使っていないわけではありません。
そう。問題がこのベッド。外科病棟でも1/3しか電動ベッドが入っていません(師長談)。電動ベッドの優先順位はもちろん高齢者。それも、90代くらいの患者さんたちからです。30代女性ではない。(入院当初は外科に入れず婦人科病棟に入りましたが電動ベッドでした。多分妊婦は別枠ということ)
個室だと電動ベッドが入っているのですが、私が入ったのは大部屋。公立病院なので差額ベッド代も大したことがなく1500円/泊からです。高くても6000円/泊なので、何日間になるかわからなかったけれど(結果18日間)、今年は旅行に行けないことを考えれば、一年分のホテル代くらいでしかなかった。
大部屋でも個室でも拘らないと言ったけれど、どうやら外科病棟には個室の空きはなかった模様です。18日間もすごせば、同じ部屋の人たちがどんどん入れ替わっていきます。「(定期的に入院措置が必要なので)いつもは個室をとるんだけど今回はとれなくてねえ」という方もおられたし、本来個室じゃないといろいろ厳しくない?と思われるような方もおられたり。個室が空いたタイミングでそういう優先順位の高い方々は移動されます。
さて、大部屋暮らしの30代姉さん。ベッドはもちろん手動のベッドなわけよ。
電動ベッドで体を起こして立てるようになると多少は楽だったけれど、それが物理的にできない。というわけで人力です。
手術の翌日はトイレに行くときには多少ふらつくのでまだナースを呼ばないとならず、そういう人と向こうも思ってるし、こっちもそういうものだと思ってるから遠慮せずにナースを呼び、ベッドを調整してもらうなどしました。
実は私は多分予後の良さが期待できる患者だったからか、外科病棟に移ってからは(お休みの日もあったけれど)日中はOJT中の新人さんがついてくれました。外科病棟に入るところから手術に行くときも手術から帰るときも退院まで患者の体の変化心の変化をずっと見るという、良い実習だったんでしょう。この人が「私がやりますよー!!」ってにこにこやってくれた。
この後からも回診や嵐のように登場する主治医などでベッドをぺたんとされた場合には、回診でやってくる主治医以外の外科の先生も主治医も嵐のように次に行くので(そういうものだから)、別に新人ナースをお呼びだてして人力で少し斜めにしてもらいました。呼吸器が楽になる。
そこまで私も豊かではないけれど、毎年少しずつ寄付して電動ベッドが一台でも二台でも追加できるといいと思う。(何年かかるやら)
ナプキン交換が苦痛だが仕方がない・・・
苦痛だったねえ、これが。
手術の数日前に生理が来てしまい、大丈夫なの!?!?!?!?と1人で主治医や病棟ナースに手術室ナースに聞きまくってしまったのですが、30代女性が手術を受けるときには、生理とバッティングすることは結構あるんですってよ。私だけではない。
まだ生理は続いていて、とは言っても手術の日だって普通に動けるならウォーキングして血行を良くしたら半日で終了できるような量だったのでまだ楽なんですが。でもナプキン交換は必要なのでね・・・。点滴って結構尿が出るんです。
私はもう量はすくなくなってたから、軽い日用を使ってました。手術で体がびっくりして生理になることもある(かもしれないから)、手術を受けるときには、自分が使う全種類のナプキンを持ち込んでおくと楽になるかもしれないと思う。(売店に全種類揃ってるとは限らないからさ)
ポータブル硬膜外麻酔
この日の夕方かな、硬膜外麻酔がポータブルに変わりました。ワンプッシュすると量が増えますよ(ただし、量は管理しないとならないからナースに言ってね)というものです。
首から下げてました。
これが効いた。
二回鎮痛剤を注射してもらった後は、痛いは痛いけれど耐えられないほどではなく、夜も眠れました。結局ワンプッシュすることもなく麻酔を使い終えていくのですが、心強い相棒でした。これを取られたら鎮痛剤(錠剤)が必要でした。
もしも日帰りや一泊二日だったらこの硬膜外麻酔もないわけで。それは痛さで悶絶するやつだ。
その後は早い
その後はあっという間に元気になっていきました。お通じ問題をクリアすると、流動食から開始して、食べると元気になるんですね。
傷口も毎日何度も確認されましたが、私の場合はきれいでこっちも異常なしでした。予定通り、抜糸までいましたし、抜糸の翌々日に退院しました。