「西安」の絵で、「長安」の文字の影が紅色の壁に写ってるのがあるのを見たことはないですか?あれは大慈恩寺の紅色の壁だー。

誰かの中継セットか撮影セットか何か。真夏の強い太陽だったらバシッと行くけど、もうこの日は夕方近いからこんなぼわんとした陰にしかならない。
これがまた、中国人的には「大雁塔に登っても景色は良くない。有料だし。大慈恩寺公園から眺めるがよし。無料だし」というのが、ネットの総意らしい。
大慈恩寺 dà cí ēn sì。大雁塔 dà yàn tǎ。
大雁塔が世界遺産(シルクロード:長安-天山回廊の交易路網)に登録されています。
大慈恩寺とは
ここは玄奘、あの三蔵法師ゆかりの地。西遊記の。孫悟空のおっしょさん。夏目雅子で脳内再生されるけど、なかなか頑丈な男性だっただろうと思う。
おかげで今回の西安旅行のテーマ曲は。
だった。今聞くと、サイケだったのね…それはさておき、現実の大慈恩寺とは。
太宗(李世民)の長孫皇后没後、太子だった李治(後の高宗。則天武后の夫)が母の追善のために648年に建立したお寺が大慈恩寺。帰朝した三蔵法師が持ち帰った仏典の漢訳をしたのがここ。ぎゃあてえぎゃあてえの「般若心経」もここだろうなあ。

↑大雁塔の般若心経。
大雁塔は、その三蔵法師こと玄奘が持ち帰った仏典を納めるために高宗時代に作られた。後、倒壊して、武則天時代に再建。現在のものは、武則天時代のものが修復されながら残ってる模様です。お寺としては明。
長孫皇后は636年に亡くなっていて、玄奘の帰国は645年。その3年後に大慈恩寺が建立はされます。玄奘が亡くなるのは664年。この間、653年の第二回遣唐使のときに道昭が渡っていて、玄奘に弟子入りしてるんですよ。道昭の日本への帰国は660年ごろということになってるから、第四回遣唐使が帰国するときに一緒に帰国したんでしょう。道昭がやってきたとき、玄奘はすでに晩年に至ってますね。
- https://ja.wikipedia.org/wiki/長孫皇后
 - https://ja.wikipedia.org/wiki/玄奘
 - https://ja.wikipedia.org/wiki/道昭
 - https://ja.wikipedia.org/wiki/遣唐使
 
大雁塔駅は南側にあってだな。大唐芙蓉園は北側だが。どっちもそれなりに歩く
歴史博物館に行った帰りに行けるかなーと思って歩いたけど雨でね…

土砂降りではないよ。

少し近くまで寄ったのだけど、濡れたコンクリートが滑りやすくてここで諦めた。たぶん見えてる建物は、玄奘三蔵院だと思う。
で、別の日。大唐芙蓉園の池の辺りを…と思ったんだが、有料。あー、ここか、テーマパーク化してるよ、って話だったのは。
帰りは大雁塔駅から帰りました。
どっちの駅からでもそれなりに歩くんでそこんとこよろ。
唐大慈恩寺遺址公園

下には人がたあくさんいるのでカットカット。

蘇州の庭園ほどではないけど、無料ですし(ここ、中国人的に強調すべきところらしい)、なかなか整備されたところできれいです。

コスプレイヤーだらけです。奇跡的にコスプレイヤーが石橋から降りたところ↓

これだな、撮影すべき絵↓というのは。

そして、サクサク行くよ、大慈恩寺へ。これがまたぐるっと…


これまた傾斜をうまく使って、塔がより高く見えるようになってた。
大慈恩寺と大雁塔
どんだけ高いのかと思ったら、十元だーよwww
窓口にパスポートを出したけど、中の確認はなかったねえ。
Wiki情報では、現在の大慈恩寺は明の嘉靖年間(嘉靖帝は道教にどハマりした人)と言う話だったけど確かに明の香りがぷんぷんしてる。って、思うのはこのレンガ作りってところ。

あ、日本語聞こえる…ただしガイドはそんなに大したことは言ってないようだった。

今回西安では多少日本語を聞いたんだけど、ツアーっぽい人たち、日本語ガイドを個人で雇ったっぽい人たちがいた。後ろに日本人のおばさんがいたの、気づいたかしら。絶対中国人のおばさんと思われてるwww
ただねえ、残念ながらその日本語ガイドの解説がそこまでしっかりしたものではないのがねえ。メリットがあるなら、効率的に連れ回してくれるところだろうねえ。
大雁塔
小雁塔より確かに高いような気がする。登れるようです。25元。足に多少不安がありながら連日2万歩歩いている俺……古い建物の階段よね……傾斜がキツイよね……と諦めました。

ですから!今回の目標は三笠の山を懐かしむような真似はしない!ですから!
仁和寺の法師でええわ。コケたら元も子もない。
俺はグルグル周囲を回って、ぎゃあてえぎゃあてえと最後のところだけを唱えていたのだ。ちなみに、般若心経ですら、冒頭と最後しか覚えてない。俺は両親とも神道の家の子なので、お経には馴染みがない。むしろエキゾチックにすら思う。

いやあ、漢文の授業が始まった後で、曽祖父の49回忌で初めて般若心経を見たけど、「色即是空」って読める!とびっくりしたねえ。
ここの鐘の音色が美しいという話だったけど、俺がいたときには、鳴らされていなかった……残念。
鐘楼ではなくて、こっち↓が鳴るのかなあ。

と思ったら、大雁塔の四隅にいっぱいぶらさがってるやつが鳴るんですって。聞こえた覚えがない…人が多かったから?お、お、お、おれは、くいのこうしゅうにいくまえに、ちょ、ちょ、ちょ、ちょうりょくけんさにいったほうがいいですか?
玄奘三蔵院
玄奘記念館みたいなやつ。これはかなり新しい。

あー、道昭の名前が。あーら、行基の名前もあるよ!みたいなのを見てた。
「大唐西域記」も展示してあったけど、もちろん唐代のものではないと思われる。帰国後の玄奘と2種類ある「大唐西域記」についてはこの本にあったよ。
玄奘の舎利塔は、終南山側の興教寺にあります。中国は公共交通機関がそれなりに安全なので、中国では公共交通機関メインの俺。今回行けなかったんだけどね。

  
  
  
  



