姉さん、神社仏閣をめぐりに巡る割には、あんまりスピった人間ではないと自認してる。
建物を見て喜んでるんだよね、基本。あと、昔の人を想像して、今の人を見て喜んでる。
あと、あんまり方向を間違えないし、雨にもそんなに降られない。
しっかし、この伏見のあたりでは、四回方向を間違えた上に、雨まで降られた。
もちろん、足に自信のない姉さんは、下醍醐にしか行ってません。この調子で上醍醐まで行ったらどこかですってんころりんしてるわ。
醍醐天皇が愛した寺も、今は昔
醍醐寺を愛した天皇がいて、それゆえにこの人は「醍醐天皇」と呼ばれます。この人は名君の一人だろうし。若い頃から親政を行った人だったので、後にこの人に憧れた天皇がいます。そう、後醍醐天皇。
延喜の帝と言うと醍醐天皇なので、「延禧攻略」という中国ドラマに、へ?醍醐天皇を落とすの?と思っちゃったわけ。
地下鉄東西線の「醍醐」から歩いてしばらくすると、立派な壁が見えてきました。ここまで来るのに、二回も方向を間違えたんだけど、間違えて良かったかな。門の真正面に出たから。

郊外にあるので、仁和寺(醍醐天皇の父親が宇多天皇。出家後の宇多法皇がいたのが仁和寺。あの。)ほどの威圧感はないけれど、郊外だからこその広さかなーと思ったわけよ。
ただ、思ってたのとはちょっと違った。
霊宝館は閉まっていて、仏像は見ることができました。
三宝院
チケット売り場は、三宝院のところにあるので、伽藍と三宝院のお庭チラ見で1000円。現金のみ。
三宝院の中に入るためには、三宝院で500円です。これも現金のみ。お庭はごく僅かにしか見られないから、中に入るのをおすすめするよ。

三宝院は、豊臣秀吉の「醍醐の花見」の、あれです。桃山時代の華やかさ。
高台寺もそうだし、どこだったっけ。ねねが寄進した建物が残ってるところ。東寺だったっけ?とは全然ちがう、軽やかさ。
国宝の表書院の襖絵は、この前の日に行ったお寺で見た、長谷川等伯一門だなあと思ったらやっぱりそうだった。狩野派とは違うのよね。うまく言語化できないんだけど。

平安時代の寝殿造を模した、ってことだったけど、屋根を観よう。唐破風!
唐破風って江戸時代なイメージで、寝殿造と唐破風の組み合わせが面白い!
秀吉が設計したと言われるお庭は、こういうふうに見えます。

派手なのよ、石の置き方とか。

お庭の中には降りられません。だからこその、この苔むした石橋!

カメラが変わるからだけど、こっちの方が綺麗に見えるかなあ(特にスマホからだと)
苔むさない橋もある。

とにかく、派手。
裏側からの方が綺麗に撮影できたから裏側から。唐門も見てよ。

あ、ここは無料で入れるから。無料で見られる国宝って言うと、東大寺の仁王門の阿吽を思うけれど、こちらも無料で見られる国宝シリーズに入れて良さげ。
伽藍
雨が降るかなあ?という感じなので、カメラをリュックにしまって、伽藍方面へ。写真はここからiPhone13Pro。これが本当にびっくりした。
鬱蒼と繁る木々の向こうに仁王門。ここでチケットを見せて先に行きます。

醍醐の森
だってこの先これよ?

ポッカリと空いた場所は、おそらく法堂とか金堂なんかがあったんじゃなかろうかと思われるようなところ。
実はここは「醍醐の森」と呼ばれていたところらしいんです。

台風で木が倒れたんですって。
伽藍の跡でもあるようなので、個人的には植林の前に発掘を行ってほしいなあと思うの。
金堂など
今の金堂は、豊臣秀頼の頃に紀州から移築したものだけど、一部平安建築が残っているのだとか。

広角カメラって、水平が取りにくい。入るときは裏側から回る形になった。
五重塔
京都の市街地に残る五重塔は、いくつかあるけれど、京都市内最古の五重塔がこれ。もちろん、国宝です。

しれっと建ってるけど、なんと村上天皇時代のものです。
醍醐天皇没後に、跡を継いだ朱雀天皇時代に着工し、朱雀天皇の弟の村上天皇時代に完成。
京都の凄さって、この平安時代の、京都府内最古の木造建築たる国宝をあまり派手に押し出してこないことですよ。
上にいくにつれ、小さくなっていく、この美しさよ。しばらくぼーっと見てた。

金堂から。
五重塔のお向かいに、室町時代のこんな建物もある。

きっと、誰か、この塔を見てぼーっとしたかった人がいるに違いない。だって、完璧な場所だもん、ここ。
その向こうに清瀧院という不思議な建物があったけど、なんかうまく撮れてないのよね。
観音堂

この辺りだったかなあ。般若心経を読み上げる集団(出家していない感じ)がおられました。
今回はあんまり人が居られないところだけ(いても修学旅行の子どもと一緒になるだけ)だったのもあって、奇怪なお祈り方法をしたりする人は居られなかったのだけどね。がらーんとしたところで、醍醐寺の関係でもなさそうな、お経を読み上げる人たちがいると、ちょっとびっくり。般若心経だけど、醍醐寺って新興宗教と仲が良いんでしたっけ?写真に撮ってないけれど、宇宙がどうのというのを売っていたのは、醍醐寺の三宝院だったかなあ。次に行った随心院だったかなあ。⇒随心院
弁天堂
醍醐寺って写真で出てくるのがなぜか弁天堂。
紅葉の時期にはすごいことになるんだなってのがわかった。
青紅葉も風情があっていいね。
他にもお堂はあるんだけど、うまく撮れてなかったり、人(案外いるの)が入ってるので割愛。
醍醐寺でフランス料理
仏像館に行った帰り。

上の写真は、多分霊宝館なんだけど、このときは入れなかった。
その、向かいにフランス料理屋さんがあります。Le Clos Sous le cerisier

パッと見たところ、お客さんがほとんどおられなかったので入ることにしました。まだ歩く予定なので、軽めに。

薬膳スープはついてくるものだけど、オニオンスープに生姜がどっしりと入ってて、スパイシーですごく美味しかったです。
厨房からジュワーっと揚げる音がして、ポテトは揚げたて。
パニーニはマスタードがこれでもか!って塗られてて、姉さん好みなんだけど、そんなに辛味はなかったよ。
1000円かな。
お寺とフレンチはなかなか不思議な組み合わせだったけど、違和感が全然ないの。
私は東西線で行って歩いたけれど、実は京阪グランデの横から、京阪が醍醐寺いきのバスを出しています。ホテルで伺ったところ30分くらいだという話なので、そっちの方が楽かもしれない。少なくとも道は間違えないと思う。
挙げ句の果てに。次に随心院に行くのだけど、随心院に行くときにも方向を二回間違えたからね、私……