お前…散々兵馬俑展行ってきたじゃん?って話ですが、その場所が大切なのだ!
兵馬俑 兵马俑 bīng mǎ yǒng

ということで、西安に到着して、早速翌日に目指すのが始皇帝陵と兵馬俑坑です。「秦始皇帝陵及び兵馬俑坑」として世界遺産に登録されています。
ふぉぉぉ!高まるっ!
ところが、大失敗してね……西安における「兵馬俑」の概念と、この場所ピンポイントにおける「兵馬俑」の概念が違うのねん……
俺の死体を越えていけ。
華清宮から兵馬俑へ。ここまでは良かった
ネットの中国人の総意は、「午前中に華清宮へ行け。バスで昼から兵馬俑へ。先に驪山園で時間を潰して、連れ回し型ツアー客が帰り始める頃に兵馬俑坑に行くと少なくて良い」だったの。それで先に華清宮へ行きました。⇒華清宮で、楊貴妃のお風呂を見た
華清宮は山の中腹からあるんだけど、地下鉄の駅の方に降りると、ちょうど兵馬俑行きの緑色の路線バスが下にいた。5元。一通卡が使えなかったよ。15分くらいで兵馬俑に行きます。
バスを降りると、ガイドが必要な人はここで、みたいな誘導されて。いらない人はあっちへ、ということで。
どうせ中国語ガイドは聞き取れんしな、と思って、いらない人組に行ったんだけどね。ガイドをお願いした方が良かったと思う。
驪山園どこ!?
どこにもなかったんだな、全体を示す地図などが。紙でも配ってなかったし、看板もなかった。
同じバスで来た人たちと、どこから入るの!?と駐車場をヨロヨロして、あそこだ、とわかったんだけど。
というのも「すぐに見つかる」と書かれていた驪山園行きの電動車が見当たらず。なんか並んでみたわけよ。
並んだ先は、兵馬俑博物館の列。
入ったら先に電動車があって、おおこれが驪山園!?と思ったら、兵馬俑ですって言われて。地図を指すんだけど、目と鼻の先(とまではいかないけど)じゃん?りーしゃんえん?と言うけど変な顔をされるだけです。しかも、驪山園へは無料だと聞いていたのに、お金を取る。大した額じゃないけど、目と鼻の先よ?
中国は、すぐに変わるから、有料になったのかもしれないし?
と、歩いて中に入るんだけど、再度チケットを提示しないとならない。あれ??みたいな。
第一坑第二坑第三坑に博物館、と。あまり広くないエリアに立ち並んでる。高徳によるとあっちね、驪山園。うむ、この先行き止まり……そもそも、電動車どこ……
ここでようやく再度検索して。どうも、一番初めに入ったところは入っちゃダメだったんだわ、と判明しました。目的の電動車乗り場は始皇帝の像の裏手にあるのだと……そもそも、始皇帝の像見たっけ???記憶に???ない……いや?入るところで「出口では?」と思ったところがあったんだけどあっちの方になにか白っぽい??え、始皇帝像だったの??見たけどスルーした?
ショック。
つまりね、一枚のチケットで、二箇所入れるんです。片方が驪山園=始皇帝陵墓。もう片方が、兵馬俑坑。西安的には、驪山園と兵馬俑坑をまとめて「ぴんまーよん(兵馬俑)」と呼んでるんだけど。この場所、つまり「兵馬俑」と呼ばれるこの場所では、驪山園は驪山園。兵馬俑というと「兵馬俑坑」ということみたい。
本当に「秦始皇帝陵」及び「兵馬俑坑」の看板に偽りなし。オーノー!なんてこったい!
ガイドを雇うべきであった!説明させるのではなく、効率よく連れ回してもらうのが目的
中国人がネットに書いてるのによると、ガイドを雇って説明してもらうのが良い、だったんです。兵馬俑坑で英語ガイドが聞こえたけど、日本で兵馬俑展へ行ってじっくりと見た人にとっては、聞き取れた範囲では、そんなに大したことは言ってなかったよ。
西安の他の博物館などでも日本語ガイドが聞こえたけど、学術的に深みのあることは言ってなくて。知識が目的だと、泣きたくなるレベル。中国語ガイドが言ってることは大して聞き取れてないけど、聞き取れないなら、意味がないわけで。
使い方はおそらく解説目的ではないんだね……駐車場で、中国語しかできないガイドで十分だから、さっさと驪山園に連れて行ってもらうのが一番正しかった。という反省です。
「兵馬俑坑」
まあいいや、こっち兵馬俑坑を先に見ましょう。と。
ちょっとお腹も空いてきた。到着日に食べたビャンビャン麺が口に合わなかったのもあり、西安では食は諦めててね。外にはゴミ箱があって、ベンチなどで食べてる人がいるのので、食べてよろしい場所であろうと、その近くで軽くカロリーメイトをつまんでおいた。
一はやはり人が多くて。なんとなく、三に入る。
第三坑
軍陣の司令部と考えられる場所。

秦や始皇帝に仕えた名将はたくさんいるけど。世界史的には、始皇帝に重用された蒙恬(もう・てん)が避けて通れない。始皇帝は、扶蘇に辺境で匈奴に対峙させていたけれど、つけてやったのは蒙恬。秦の長城を築くのがこの人蒙恬。
始皇帝が行幸中に崩御すると、後継に目されていた扶蘇ではなく、趙高と李斯の手によって胡亥が即位してしまう。扶蘇と蒙恬は……オヨヨ。蒙恬は史記だと列伝にいるよ。
司馬遷は前漢武帝期の人で、蒙恬が作った当時の長城も見てるんだろうなあ。
面白いのは陳勝呉広の乱で、陳勝は扶蘇、呉広は項燕(秦に滅ぼされた楚の将軍。項羽の祖父さんだよ)を自称してるのよ。絶対近くに蒙恬のなりすましまでいるって。いや、知らんけど。蒙恬が列伝で、匹夫と評価される陳勝(陳渉)が世家というのが面白い分類ですね。王になってるから?
戦車が出たのが、二坑
↓は(この部分が復元だったとしても)現地じゃないと見られないやつよ。

これも二だったと思う。発掘中。いやー!これはもう、現場じゃないと見られないやつ。

博物館
一をチラッと覗くと、やっぱり人が多くて、先に博物館へ。
お馬さーん。ああ、たてがみの毛の流れまで表現されてたんだ。

女官たち。

このお顔に見覚えないなあ。パーツパーツを大量生産して、それを組み合わせているのでは?説がある通りなのかな。日本に来る人って同じ人なのかしら、みたいなんだけどね。

何がすごいって、↑↓色が残ってる。

↑の人は見たことない気がするな。
日本の展覧会では見ましたっけ、床。模様が……あったのね……うわああああああああ。地下宮殿……阿房宮なんかもっとすごかったんだろうなあ。今は原っぱだったけど⇒阿房宮

博物館でも、解説はあんまり書かれてません。ただし、なんつーか。これまで何度も九博などでも兵馬俑展に行ってきたわたくし。そうでしたわね、みたいな。
一番大きい第一坑
そして、最後に一へ。一番広いだけあって、ちょっと暗めです。そこも実感していただきたく、写真を明るく調整してません。

兵士たちの横には壁が作ってあるのだと思うんだけど、ところどころ、兵士の列の前にも壁があるみたい。

ドミノ倒しを防ぐためかな。
最後の最後に満を持しての入ったところ。ドーン。これが撮りたいので、みんなここに並んじゃうのよ。私も並びました。

じつはここからぐるぐるぐるっと三周くらいしたんですがwww
どの写真でも見えないと思うんだけど、警備のお兄さんが所々に立ってて、人が中に入り込まないようにしてます。それでもたまに起きるんだけどね。
遭難しないために、驪山園を諦める
銅車見たいなあ、山があるだけなのはわかるけど、陵墓見たいなあ、と思って、とにかく外に出ようと思ったんだけど、出口に向かって屋外を歩いているうちに気づいた。気温が下がり始めてる……時刻は14時前ですが。中国はあんなに東西に長いのに、時間は北京に合わせてある。西安は北京よりもはるかに西側。見上げれば、うちのあたりでは13時くらいの太陽の位置だけど……
元々血圧低めの俺さま。昨冬は1km歩いてその後にバスに乗って、という状態で、(定期で行く)病院で血圧を測って上が100いかず。下が80……ナースがびっくりして、医者が心配して血液検査のオーダーを出す始末。何にもなかったけどね。相変わらずの白血球値(1万オーバーがデフォルトよ)。そういう人だということを覚えておいてね。20代の頃なら、絶対あの状態でも驪山園に行ってるんだけど。もう俺は40すぎたおばさんなのだよ……光陰矢の如しである。
出口を過ぎると、なんか土産物屋みたいなのが立ち並ぶのね。自動音声の呼び込みの連呼連呼連呼、みたいな。あれには人間の声よりイラっとさせられる。西安はあれが結構多かった。
どうにもこうにもおかしい
さっきカロリーメイトをつまんだけど、まだリュックの中にはあるし。これは空腹?何か売ってるの食べてみる?と思うんだけど、食指が一切動かず……空腹感もない。あったかい飲み物飲んでみる?と思うんだけど、そういうわけじゃないんだよね。
これは明らかにおかしい……と客観的に自分の様子を観察し始めると、まずいわ……ステロイド切れぎみなのは認める。夜の分のステロイドは持ってるし。ここでステロイドを飲んで元気満々になっていいのか問題がある。
華清宮でも歩いてて。ここまで歩いた歩数が1.6万歩。結局この日も、そして連日2万歩歩いたんですけどね。
体はまだ西安になれてないday2。倒れたらいけないからと思って初めに遠征したんだけど……気温は17度くらいで、上のパフテックベストだのUVパーカーだのを着たり脱いだりしてたけど。気温25度くらいのところから来た私には、そもそもが寒かった。でも、所詮17度程度だから、歩けば化繊のセーターの中はぐっしょりしちゃって……中に着てたのが綿だったのが失敗した模様です。ほら……驪山園行きの電動車を探すのに……無駄に歩いて……焦って……ぐちょぐちょに……これはまずい……
驪山園で三笠の山を懐かしむわけにはいかないのよ……台湾でそんなことになったら、確実にりんごの餌食になるパターンよ。「気温17度の陽明山で日本人女性が低体温症で遭難www」みたいなやつよ。くさおぶくさ。
始皇帝像の代わりに、噂の偽物の兵馬俑?
しかも、出たところは土産物屋が並んでて、駐車場どこ?そもそも、始皇帝像どこ!?見えない。
その代わりに見つけたのが↓なんじゃこりゃ。

中国人がネットで書いてたのの中に、「客引きの車に乗ってはいけない。兵馬俑に連れて行くと言うのに、連れて行かれるのは偽物の兵馬俑」というのがあったの。それって↑みたいなの??と笑う余裕はあった。撤退を考えるのはまだ余力がある段階ですわよ。
さっさと鐘楼行きのバスに乗る
歩いてる途中にいくつか、鐘楼行きのバスの案内があってね…ウィーチャットで26元だった。この状態の俺さま……無理じゃない?とさっさと買って帰りの足を確保した方が良さげね、と思って次にあったバスの案内で買うことにした。
乗り場がわかんねー、ってなってたら、係が、ふぉろ、ふぉろって。なんと言う単語であるかとHuoではないぞ、Fo?と思ってたら、英語を喋ってくれた模様。Follow。
どうも俺が買ってる間に、他の人たちが来て、この人たちに連れていってもらえってことだった模様です。ご夫婦が、あれかな?これじゃない?と言いながら、探してくれて。俺は着いて行っただけ。
そのときにね、ちらっと白い大きな像が木々の陰から見えたんだけど、あれが始皇帝だった!?!?えんだああああああああああいやああああああああああああああ、しいこおおおおおおううていいいいいいいいいいい(ホイットニーヒューストンの「I Will Always Love You」の替え歌でどうぞ)
もう良いや……
連れて帰ってもらって助かりました……バスに乗って悠々と西安の市中に帰りましたとさ。(一度中できちんと購入しているのかの確認があったけど、なんかよくわかんないから、購入画面を差し出したら、向こうがやってくれた)
地図では、往復ともに始皇帝陵のそばを通ってるはずなんだけど、なんか見えないのよ。PM2.5?兵馬俑村があって、その裏手にあるんじゃないかと思うのだけど。兵馬俑村というのはなんか小汚い……であった。
このバスが到着したのは、私が泊まってたエリアのすぐ外。鐘楼駅のH出口そば。目の前にはノボテルがあったよ。
始皇帝運がなかったね
西安そのものは玄宗と楊貴妃推し。白居易にプロデュース代払えよってくらいの「長恨歌」。それでも今回は完全に李世民、つまり唐の太宗の気配に満ち満ちた西安旅行だった。多分「貞観政要」なんぞ読んでたからなんだけどね、とにかく李世民運??はすごく良かった。けど、始皇帝運??はあんまり良くなかった。
李世民がというよりも。秦のあとは、まず前漢が200年かけて「長安城」を営んだけど、まだその段階では始皇帝のインフラを使ってる。後漢は初めから洛陽だけど、同じ場所に長安城はある。ただし、隋においては「大興城」を従来の「長安城」とは別の場所に建設して。唐はそれを上書きする。その後に打ち捨てられて縮小されて今に至るので。秦や前漢よりも唐で売ってる街なのよね。
秦より唐……唐ばっかりじゃん。前漢ってなんでしたっけ?な勢いで無視してるからね……
で。結局西安市内8泊。最後の日も15時くらいまで西安市内にいられるわけなので(ラッシュは避けたかったから、それくらいの時間にした)。未央宮の中の方とか、そもそも大明宮も玄武門(玄宗が起こしたクーデターで韋后を討ちに行くけど、それはこっちだと思うぞ)は諦めたり。遭難しない、きちんと日本に帰るのを目標にしていたのでね。
そんな感じだったから、倒れずに済んで。最後の2日間はあいたから驪山園リベンジするかな?と思ったんだけどねえ。
どちらとも空気がきれいではなかったので、諦めたのよ。華山を見に行って逃げ帰ったら、李世民が向こうからやってきたり。これもう行くしかないな、と李世民のお墓から持ってきたお馬さんを見に行った博物館(行けなかったら行かないでいいやと思ってた)で時間溶かしたりした。それはそれで楽しかったので、ま、いっか。
10年後くらいに新たな発見などがまとめられて、それからでも良いや、みたいな。
遭難しないことが一番大事♡
往復シャトルバスもあるよ。
中国のSNSを見てると「兵馬俑坑に行くなら一週間前に予約しよう!」というのも見るんですけどねえ。国慶節などではないなら、なんかまあまあ買えそうですよ。↓みたいな、中国人が使う、直通シャトルバスと兵馬俑坑のチケットもある。
私は近くの華清宮をどうするかなあと思ってたんだよね。
華清宮は地下鉄の駅から近いんですよ。華清宮と兵馬俑の間は有料のバスがボンボン走ってる。
華清宮も行くパッケージもあるんだけど、それだとお昼ご飯がある代わりに驪山園(始皇帝陵)まで行けない。しかもなんかCG映画を別途有料で見るか、そうじゃないなら70分待つ羽目になるんだそうな。
そこに行かなくてなんの意味があるんじゃい。いや完全にアレンジで、というならできるけど、額がすごいことになる。それなら自分で行くわい。
だったんですがね。驪山園に行かなかったんだったら、結局英語パッケージにした方が安上がりだったなあ……と思ってるところ。
あと、メモしておくね。兵馬俑側には、華清宮のチケットブースがあって、ここでチケットを買ったら無料シャトルバスに乗れるようです。しかし、華清宮側にはそう言うブースはありません。路線バスでも5元なので。






