リクエストは「外国人観光客が一人で行きにくいところ」
港女は私に言いました。「これからどこ行きたい?」答えはひとつ。「外国人観光客(私)が一人では行きにくいところに連れて行って」予想していたのは市場とかそういうところ。どんなグロテスクな光景が・・・ぐふふふふ。
地下鉄に乗って連れて行かれたのは天水圍。昔、ライトレールの旅がしたくてただただそれだけのために来たことがあります。
でも今回は?ライトレールの旅ではなく、ここで地下鉄を下車。
天水圍というのは大陸から新しくやってきた人たちの多い地域で香港の中でもっとも貧しい地区だという話。アン・ホイの映画がありますが、私の好みではなかった記憶が。
もう一つ、香港の中で貧しいところといえば深水埗。天水圍が近年中国からやってきた移民の住む場所であれば、深水埗は第二次大戦後、そして中華人民共和国成立前後に香港にやってきた人々が住む場所。つまり深水埗は香港に来た二世や三世が多い場所なんです。
屏山文物徑
で、外国人が一人で入ったらまずい天水圍の魔界にでも連れて行ってくれるん??とワクワクしていた私の眼の前に現れたのはこれ。
は?
正直に言おう。拍子抜けしたよ、私は。
魔界はどこなん?日本人的にはグロテスクに感じられるような、豚さんの頭があるような市場はどこなん?
どう見ても古い、下手したら英領になる前からありそうなものじゃないですか。
どうやら、「大陸から移民してきた貧しい人々」天水圍駅近くのこの地域は香港に古くからいる人たちの居住区域でもあったのです。
気を取り直して行ってみよう!なお、「屏山文物徑」というのがここの名前。
なお、あの楼は「聚星樓」と言うそうです。一階部分は覗けますよ。
お堀のようなところを通り抜け、

何か見えてきました。

上璋圍
ここは今も人が住んでいる地域だそうです。
はっきり言って、ボロい。
日本人的に違法建築じゃないの?と思う建物がやたらと多い香港ですが、これはなんですか。バラックですか?
ええ。どきどきわくわくですよ。
「ああ、あんたにはボロボロに見えるのか。でもね、ここの人たちは土地を持ってるのよ。だから少なくとも帳簿上は超リッチ」
二人がずんずん中に入っていきます。気になりますよね。
「・・・ねえ、ここ入り込んでいいの?」
「良いの」
ですが撮影は自粛しました。
二人は安全に路地を歩き回れてご機嫌です。そうか、ここを私に歩かせたかったの?
「なんであんたたちこういうところに住んでないん?」
「・・・あたしたちどっちもタンさんじゃないもん」
ここの中かな、外かな。記録も記憶もないのですが、こんなのを撮影していました。
古井
何なんだ、このサークルは。

宇宙人を呼ぶサークルかとわくわくしながら近づきました。
これ、井戸なんですって。日本人の考える井戸とはなんか違いますね。ここに水があふれていたのでしょうか。櫓を組んだりしなかったのかな?生活用水と飲用水とごちゃ混ぜなのか、それともどう分けていたのか聞きますが、二人とも知らず・・・。そりゃそうか。マンション生まれのマンション育ちだったもんね、二人とも。
この近辺まで住宅地です。ま、住宅地だからこそ井戸が必要だったのでしょう。
人様の家を撮影するのは自粛したはずなのですが、おもしろ写真もありました。庭にワイルドに植えられた青梗菜(筋ばっててまずそう)とか。是非行ってみてくださいませ。
楊侯古廟
坂を登って小屋が見えました。
何を言われたか記憶にないのですが、私が行った時は空っぽでした。とりあえず「廟」らしいよ。
降ります。
鄧氏宗祠
次はこんなとこ。


上が鄧氏宗祠、下が愈喬二公祠。
香港女子が「あたしたちタンさんじゃないもん」と言っていましたが、この近辺は鄧(タン)さん一族がお住まいなのです。
涼茶
この前に屋台が出ていました。

売っているものは「涼茶」。私たちは英語で会話しているので「ハーバルティー」と呼びますが、言ってしまえば漢方茶。香港女子は咳き込んでいてペットボトルでお買い上げ。私は一杯だけ欲しかったのですが、まごまごしているうちに香港男子にこんなものを差し出されました。

どうやら緑豆と何か海藻の冷たい(当時の常温?)ものです。
好き嫌いの多い私なのですが、苦手なものは豆。あんこも嫌い、黒豆を煮たのも嫌い。しかし、出されたものはエビ(これだけはダメ)でもない限りは頑張っていただくポリシーです。内心げーっと思いつつもいただきます。
「これはね火照った体を冷やすんだよ」
・・・2014年1月ですよ。1月なの!いくら香港の冬が日本人的に暖かいと言っても、寒いんです。歩いて汗ばんでいますよ、でも着ているのがヒートテックで汗を吸わないので汗が冷えてきて、寒い・・・
ごめん。お味に記憶なし。ただただ寒かった。
まだ終わりません。
覲廷書室
次の建物の中にはこんな感じ。
香港・中国の時代劇を見ているとたまに字を書いた赤い板を持って歩く人たちを連れたお役人(おえらいさん)が出てくることがあります。あれだ、あれだよ!なんかうきうきしてきます。
それよりもこの建物はカラフルな窓が印象的でした。
現代香港のビルって窓に格子が入っています。防犯上の理由でしょうね。でも、昔から格子を入れていたんですね。陶器の青がとってもきれい!
清暑軒
覲廷書室 のお隣。
ここの階段を見ていて思い出します。武侠映画の飯屋のシーンです。二階に通されることもありますよねえ。ほら、「グリーン・デスティニー」のチャン・ツイィーが暴れるシーンですよ。
キョンシーものとかジャッキー・チェンものにもありますよねえ。今にも誰か降りてきそうな。「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」のジョイ・ウォンだったら困るかな、いや、私は女に興味はない。ジョイ・ウォンも女に興味はないだろうから殺されはしまいよ。
カップルは私がそんな妄想をしているとはつゆ知らず、袖を引っ張っていきます。
これで一周したわけではないのですが、私たちはここでタクシーを拾って次のところへ。予想とは全然違ったけど、ありがとう。香港にこんなに古いところがあるだなんて、私は知らなかったよ。
その前に素敵写真をどうぞ。
綺麗に飾り付けて育てているのはヒヤシンスではなくって、ニンニクですよ!!!なんなんだ、香港。キョンシーでも出るんでしょうか、ここ?いや、ニンニクが嫌いなのはドラキュラか。ますます謎が深まりますね。
是非是非歩いてみてくださいませ。香港人好みの「全部無料!」のところでございます。
なお、建物の名前までいちいちメモっているわけがなく、香港ナビさんの記事にお世話になりました。
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