この日はグムンデン(Gumunden)。トラウン湖畔の街です。
「あんたはうんと古いものが好きみたいね」
「うん」
「フランツとシシー以前」
「マリア=テレジア以前」
「ここなら気に入ると思う」
こんな別荘で夏を過ごしたいな
この透明度、わかりますか?右側にデッキが出ていますが、別荘のようなものがたくさんたっていて、そこから湖に入れるのです。
「良い!ここ凄く良い!」
「でしょ」
「夏はここで過ごしたい!」
「別荘を買うと高いよ」
「別荘を一ヶ月借りたい!」
「それでも高いけどさ。ここは水害にあうことがあるから、借りると良い。あんたみたいな外国人が所有して夏だけ訪れるには不向き」
「水か。いつも借りる所有者が水害にあったら一本お手紙を出せば良いだけだもんね」
「そうそう。お見舞いの手紙」
妄想はつきません。
そんなことを言いながら橋を歩いています。
じゃん。
オルト城塞
絶句。
「古ーいドラマでね、ここが舞台のドラマがあったの。ホテルということになってたんで、高齢者はホテルと思い込んでくるんだけど、実際にはホテルじゃないのでがっかりするというのがお決まり」
確かにホテルぴったり。
「したかったらここで結婚式はできるんだよ。でも、その日は次々に式が入るから、そんなにロマンチックなもんじゃないんだな」
中に入ります。Schloss Ort、オルト城塞です。
Seeschloss Ort とは、Seeが湖畔、Schlossが城塞。オルト湖畔城塞、かな。
中に入るのは3ユーロ。
説明書きはあるのだけど、ドイツ語だけだったかな。
まさにロマネスク建築。
1594を頭にして身長の記録のようなものがあります。
「あそこまで水がきたってこと?」
「そ」
アジアの年号とは違ってヨーロッパはただただ数字をカウントするだけですから、楽ですね。
やはり、いくら大金持ちになってもトラウン湖畔に別荘を所有するのはやめておきましょう。
「やっぱり、借りることにして、水が出たらお見舞いの手紙を出すだけにしよう」
「それがいい」
屋根はやっぱり木で葺いてあります。アジアとは違って乾燥しているからかなあ。ツヤツヤと光ってるんですよ。アジアなら苔むすところ。
城塞の周囲を歩く
周りを歩いてみましょうか。
城塞らしいところだ。
ぐるっと回るけれど、こんなベンチがいくつかあって、これまた大したことはないのだけど雰囲気にマッチしてかわいい!
というか、ヨットがあってまさに別荘地なんだなあ。
アウトレットでもグムンデン焼きは高いって話
「ここは陶器でも有名。でも、グムンデン焼は高くてねえ」
「持ってる?」
「ばあちゃんに貰ったんだ」
祖母から孫へ受け継がれるグムンデン焼。見せていただきましたが、写真にとるのを忘れました。
白地に緑で模様がつけられた素朴な焼き物でした。ただ、分厚い・・・。
「アウトレットが安いってガイドブックに書いてあるよ」
「それは嘘だ!」
だそうです。
鉄道も通っているので、ザルツカンマーグート地方に行く際には是非一度立ち寄ってみて下さいな。
バートイシュルからならすぐ。
⇒フランツ=ヨーゼフゆかりの地、バートイシュルは今でも交通の要所
きちんと鉄道やバスの時間を調べてから計画してくださいね。レイルヨーロッパ