旭川は軍都だった。そうすると、旧日本軍由来のものがいくつかありまして。軍都旭川と彫刻?井上靖?ってピンとこないだろうけど、ちょっと説明するから待ってよ。セット料金600円。
中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館
傾いてて失敬。バスの時間でちょっと焦ってた。

これね、旧陸軍第七師団の、旭川偕行社という建物です。将校たちの社交場でした。今は中が彫刻美術館になってるってだけです。
郷土博物館になったこともあるけど、博物館が移転して、今は美術館に。
シャンデリアの装飾も、なんとなく、函館公会堂を思わせるけど、あっちの方が派手。

明治35年(1902年)の建物です。函館区公会堂は明治43年(1910年)。ちょっとこっちの方が古い。公会堂を建てるときに、参考にしてないわけがないと思うんだよね、この建物も。

こっちはこっちで、すっきりとしたデザインが、軍人らしいというべきなんでしょうか。
中原悌二郎は、1888年に旭川で生まれて、1921年に亡くなった彫刻家です。ロダンの影響があった模様。
https://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/sculpture/index.html
井上靖記念館
隣接してます。

井上靖は、旭川市春光6条4丁目の師団官舎で生まれてる。父親が軍医だったの。
父親の朝鮮赴任に伴って、できたばかりの青函連絡船に乗り、静岡へ。その後、「しろばんば」のおぬいばあさん(のモデル)と蔵で生活するようになる。
春光6条4丁目は、バスを降りた周辺で、行ってないんだけどね、奥には今でも自衛隊の官舎があるようですし、記念館の近くには今でも公務員宿舎があるんですよ。
さて、中でいちばんの見どころはこれ。井上靖の書斎と応接間。


設計は磯山正。「夏草冬濤」で出てくる磯村くん(不良文学少年3人組ではない)のモデルです。実は私が一番好きだったのが「夏草冬濤」だもの。湯ヶ島が舞台の「しろばんば」、沼津が舞台の「夏草冬濤」、金沢が舞台の「北の海」と続きます。
https://www.inoue.abs-tomonokai.jp
北の海はラスト、父親のいる台湾に渡るけど、そういえば井上靖の父親は、旭川、朝鮮、台湾と、移動してるなあ…と思ったんだった。